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相次ぐデマに混乱続く――【中国・昆明無差別テロ】報復におびえるウイグル族

Kunming_montage.jpg昆明市 市街の様子(Wikipediaより)

 3月1日 、中国雲南省昆明市・昆明駅の切符売り場や駅前広場で、刃物で武装した十数人の男女が、居合わせた人々を次々に襲う事件が発生。翌日までに28人が死亡し、113人が負傷した。犯人グループのうち5人も、その場で射殺された。 


 当局は、ウイグル独立派によるテロと断定し、捜査を進めているが、現地住民の間では、さらなるテロの恐怖が広がっている。

 中国版Twitter「微博」では、事件直後には同市の別の場所でもテロが行われたというデマが、また、一時はハイジャックが計画されているという情報が流れた。また、上水道に毒を入れる計画があるという書き込みをきっかけに、街中ではミネラルウォーターが買い占められたという報告もある。

 一方、同市在住の日本人男性によると、最も戦々恐々としているのは、容疑者とされる人物と同じウイグル族だという。

「ウイグル族がなりわいとする、羊の串焼き屋台や新疆ラーメン店などは軒並み姿を消したり、休業したりしています。市民からの報復を恐れているのでしょう。テレビでは連日、ウイグル人の残忍性を強調するような映像が繰り返し流されていますから、無理もないでしょうね。また警察が『ウイグル族を見たら通報するように』と呼びかけているという話も聞く。ウイグル系住民は、漢族とは見た目がハッキリ違うので、肩身が狭い思いをすることになるでしょう。また、回族をはじめとするほかのイスラム系住民も、とばっちりを受けているはず」

 こうした状況は、ウイグル族への弾圧を強めたい当局からすれば、好都合に見えるが、まさか自作自演なんてことはないといいのだが――。
(文=牧野源)

最終更新:2014/03/04 18:00
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