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「服用後30分~1時間以内に意識を失う」“デート強姦薬”、購入者の大半は平凡な男性?

biyaku.jpg「sight」より

 韓国で「デート強姦薬」=通称ムルポン(水とヒロポンを合わせた造語)と呼ばれる薬がひそかに流通し、人気を博している。このムルポンを使えば、女性を興奮させたり、男性の場合、バイアグラに似た効果を得ることができるという触れ込みだ。麻薬成分が入っており、一種の媚薬や精力増強剤のような役割を果たすともいわれている。

 今月20日には、このムルポンを中国から密輸したとして、40代の男3人が逮捕・起訴されている。3人は2015年の3月頃から、メールやSNSを通じてムルポンを販売。日本円にして、約1,200万円を稼いでいた(一瓶当たり12ml=約3万2,000円)。彼らからこのムルポンを購入した人の数は約800人で、その大多数が30~40代の平凡な男性だったという。


 実はこの手のデート強姦薬は、韓国で以前から大量に流通していたという。その中でも特に多いのが「GHB(Gamma-HydroxyButyrate)」と「ケタミン」だそうだ。

 前述したムルポンとは、このGHBのことを指す。GHBは、無味無臭の透明な液体で、飲み物や酒に混入させても、飲んでいる女性は気付かない。しかし、服用後、30分~1時間以内に意識を失うことになる。一方、24時間が経過すると薬物が体内から抜け、服用の痕跡が残らないといわれている。

 韓国では過去に、このGHBをナイトクラブや恋人代行サービス、チャットなどで出会った女性に使用する事件が相次いだ。忠清南道では、GHBを服用させた後に性暴行し、数十人分の動画を撮影、動画サイトに流出させる者も現れた。

 一方、ケタミンもクラブやパブなどで頻繁に使用されているという。白い粉末であるケタミンは、もともと動物の麻酔に使用される獣医用医薬品だが、最近では「女性用覚せい剤」という触れ込みで販売されるケースが多い。ケタミンを服用すると、違法薬物である幻覚剤「LSD」よりも強い幻覚症状に襲われる。持続時間は1時間ほど。女性への性暴行目的で悪用されている。

 欧米などではデートレイプドラッグ(Date Rape Drug)と呼ばれていて、やはり社会問題化しているそうだ。米国出身の有名なユーチューバーであるジョイ・サラズ氏は、このデート強姦薬の危険性を示すため実験を行い、その動画をアップしている。サラズ氏は数人の女性の飲み物にデートレイプドラッグを入れるのだが、女性たちがそれに気付くことはまったくなかった。

 身近に潜む危険薬物に、女性はくれぐれも注意が必要だ。
(取材・文=河鐘基)

最終更新:2016/03/28 15:00
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