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止まらない憎悪のループ……韓国版2ちゃんねるに「親のブラックリスト」を公開する親不孝者たち

irube0511.jpgイメージ画像(Thinkstockより)

“儒教の国”韓国では、目上の人や親を敬う“長幼の序”の精神が社会全体に深く浸透しているイメージがある。しかし、最近の若者たちの間では、その儒教精神もかなり薄まってきているようだ。というのも、韓国版2ちゃんねると呼ばれる国内最大級のネット掲示板「日刊ベストストア(イルベ)」に登場した「親人名辞典」という書き込みが、親不孝の極みだと話題になっているのだ。


 イルベユーザーたちが作成した「親人名辞典」には、彼らの親の品行、言動などが実名とともに事細かく記されている。そのほとんどは名誉毀損に当たるようなネタばかりで、「実の親に対して、よくぞここまで言えるな」というレベルだ。現在登録されているのは30人弱だが、「自分の親も登録してくれ」と追加を希望するユーザーが多く、随時アップデートされているようだ。

 気になるその内容はどんなものかというと、

○○○(母親の実名)
・高卒
・夫が稼いだ金で顔にボトックス注射
・夫が帰宅しても飯の支度をせず、テレビ見ながら刺繍に夢中
・3浪中の息子に出す金はないが、通販でランニングマシーンを買う金はある

○○○(父親の実名)
・ハゲ
・息子が中3の時、美人局詐欺に遭って、家を借金まみれにする
・7歳下の若い女と浮気して、再婚に至る
・事業に大失敗
・タクシー運転手のくせに、息子に偉そうな口を利く

 といった具合に親をこき下ろしている。この書き込みが行われている「イルベ」は、たびたび韓国社会で物議を醸してきた問題サイトなのだが、今回もまた「いくらなんでも親をディスるなんてひどすぎ」と、批判の声が上がっている。ただ、一見すると、一方的に親をけなしているように見えるが、「こんなバカな息子がいる」「こんなバカな親を持つ俺」というふうに、投稿者の自虐ネタにもなっているのがポイント。「こんな俺を生んだ両親って、クソだよな」といった具合に、自分のことを棚に上げずに親を批判しているのだ。

 ちなみに、この「親人名辞典」は、『親日人名辞典』を真似て作られたようだ。『親日人名辞典』とは、日本統治時代に親日活動を行った人物の名前が連なる、2009年に出版された全3巻の名簿集。4,389人もの親日派韓国人の主要行動と行跡がつづられた、いわば“戦犯ブラックリスト”だ。

 その『親日人名辞典』を参考に、親のブラックリストを作り出した韓国の若者たち。実の子どもにここまでバカにされていると知ったら、親はどんな顔をするのだろうか? しかも、ネット上に個人情報をさらされ、名誉を傷つけられるとはもってのほかだ。

 それにしても、女性嫌悪、男性嫌悪に続いて、今度は親嫌悪に走る韓国。嫌悪が憎悪になり、ますます深刻化して、重大な事件が起こらないことを祈るばかりだ。
(文=李ハナ)

最終更新:2016/05/12 21:00
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