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苫米地英人×前田日明 格闘界に続き政治もぶっ壊す!(前編)

maeda_tomabechi01.jpg写真/金子光徳

 祖父が政治家で、政界にも太いパイプを持つ脳機能学者の苫米地英人と、政治意識の高さは格闘界随一の前田日明が、総選挙を前に、今求められる〈政治改革〉を本気で論議。総合格闘技にいち早く目をつけ、プロレス中心だった日本の格闘界に革命を起こした前田は、最近、苫米地と組み、本物の不良を集めた掟破りの格闘技興行「THE OUTSIDER」を成功させた。たぐいまれなる発想と行動力を持つ2人が、国政にメスを入れるとどうなるの!?

【苫米地(以下、苫)】 まずは、前田日明が政治意識に目覚めたきっかけから話そうよ。

【前田(以下、前)】 ちょっと前までは、残りの人生30年くらい、自分の老後の準備さえできれば万々歳かなんて思っていたら、去年、48歳にして図らずも子どもができて、未来のことを考えなければいけないと思うようになって。その矢先の参議院選挙で、民主党から「出てくれないか」って打診があったんですよ。そのときは乗り気じゃなかったけど、ちょうどその頃、年金とか、いろんなことへの問題意識はあったから、応援演説だけは引き受けたんですよ。そこで、自分なりに勉強して、ある程度データなんかも覚えて、有権者の前でしゃべった。そしたら、立候補者たちにまで、「いや~、前田さんの演説は、専門的だし、内容がありますね」と驚かれて。

【苫】 有権者が「格闘技一筋の前田がこんなことを」っていう感じで驚くのは当然として、政治のプロを目指す人間までもがね。

【前】 そう。こっちが驚いたし、飽きれたんですよ。で、そうやって自分で調べたり、話したりすると、興味がわいてくるじゃないですか。選挙が終わった後で、もっと調べたくなってきたんですね。それで、民主党の議員の秘書にお願いして、問題意識のあった二十数項目ぐらい質問を挙げて、資料を集めてもらったんですよ。官僚はあんまり資料を出さないんだけど、それでも、門外漢の自分のために、すったもんだして十数項目分の資料を集めてくれた。

【苫】 官僚にとって、民主党は敵だから(笑)。それで、どんなのを集めたの?

【前】 環境汚染とか食料汚染とか。それを読んで驚いたのが、今、日本人の体が環境汚染の影響で、ひどいことになっているということ。たとえば、日本人の体から検出される化学物質の量って、世界一なんですよ。アルツハイマー病の発症率も世界ナンバー1。アレルギーの発症率も日本が一番ですよ。不妊治療の受診率も、日本は右肩上がりで世界一です。そういう情報がいっぱい出てくるんですよ。他にも、妻が妊娠したとき、病院に行ったら、30歳以上の妊婦がいっぱいいて、そのうち自然に妊娠した人は10人中3~4人ぐらいで、あとは何かしらの不妊治療を受けてるっていう話とかを聞いて。極端な話、このままだと、日本人はいずれ絶滅しますよ。

【苫】 これはなんとかしなくちゃいけない、と思うよね。

【前】 じゃあ、環境省は、今まで何をやってきたんだ、ということですよ。環境に限らず、族議員はファミリー企業を作って、そこを儲けさせるようなことばっかりやってる。官僚は、無駄な公益法人や特殊法人なんかに天下って、退職金の二重取り、三重取りでしょ。1億円で済む公共事業をファミリー企業に10億円で発注して、工事自体は1億で丸投げで、9億円を族議員と官僚たちで山分け、とか馬鹿みたいな話ですよね。

【苫】 結局、官僚制を崩さない限りは、誰が総理になろうが、何も変わらないんだよ。日本の三権分立っていうのは、かなり歪んでるの。だって、本来、立法権や予算編成権を持っているのは議会でしょ。ところが、実際に法律を作るのは官僚。なぜなら、国会議員には、自分で法律を作る能力ないから。公設秘書を3人雇えるけど、政策秘書は1人、あとの2人は事務をする秘書。こんな体制では法律なんか作れないよ。あと、国会議員が大臣になるのもおかしい。立法の人間が、行政の長になるなんて。本来なら、大臣になるなら、議員を辞職するべきでしょ。でもそんなことしたってどうせ格好だけだから、大臣や長官といった行政の長は、民間から選出すべきだよね。さらに、司法はもっとおかしい。司法のトップは、法務大臣とか、国家公安委員長、最高裁判所長官、そして警察庁長官でしょ。このポジションは、議員じゃいけないのはもちろん、官僚では絶対にいけないんだよ。司法の長が行政の下に入ってしまうから。でも、警察庁長官って、キャリア警察官、つまり官僚がなっているんだよ。他にこんな省庁ある?

【前】 めちゃくちゃですよね。

【苫】 で、まず最初にやらなくちゃいけないのは、官僚から立法権、予算編成権を取り上げること。そのためには、これはアメリカがそうなんだけど、国会議員1人につき、40人か50人の政策に通じた秘書をつけて、国会議員が法律を作れるようにする。それで官僚に一切法律を作らせないようにする。そのためには、政策秘書が大体3万人ぐらい必要なんだけど、今、行政職の国家公務員が約30万人。その1割を人事異動するだけでできる。各省庁の長、警察庁長官も含めて、すべて民間から選ぶようにするのが第二ね。そして最後に、国会議員の数を今の3分の1に減らす。まずはそこから始めてもらいたいな。
(後編につづく/構成・逸見信介/「サイゾー」11月号より)

苫米地英人(とまべち・ひでと)
1959年生まれ。脳機能学者、計算言語学者、分析哲学者。カーネギーメロン大学大学院で博士号を取得。脱洗脳のエキスパートとして、オウム事件の捜査にも貢献。祖父は元国会議員の故・苫米地英俊。近著に『超人脳の作り方』(アスコム)、『自伝ドクター苫米地』(主婦と生活社)など。

前田日明(まえだ・あきら)
1959年生まれ。リングス代表。プロレスラー、総合格闘家として、数々の伝説を残す。現役引退後も、常にエポックな格闘技イベントをプロデュースし続けている。素人の不良同士をリングで闘わせる「THE OUTSIDER」は、チケットが即SOLDOUTになる人気イベントになっている。

RINGS 1991-2002

忘れえぬ、”第一次”RINGSの10年。

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最終更新:2009/03/07 10:37
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