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本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」Vol.112

「客が1人という日も」吉本興業の中規模2劇場が閉館 お笑いブームは終わったのか

kyobashikagetsu.jpg京橋花月公式サイトより

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 ”お笑い帝国”吉本興業が経営する大阪の演芸場「京橋花月」と東京・品川の「よしもとプリンスシアター」が閉館の危機に追い込まれているという。ビートたけしは「第2次お笑いブームは終わった」と、昨年末から筆者に語っていたが、両館の閉館危機は、単なるお笑いブームの陰りの表れということとは、少々事情が異なるようだ。

 京橋花月は、2008年に閉館した「うめだ花月」の事業を継承する形で大阪市の京橋駅前に同年11月20日にオープンした。客席数は500。吉本の演芸場としては「なんばグランド花月」に次ぐ、2番目の中規模演芸場だ。年間の目標来場客数は30万人だったが、初年度の来場者は23万人。なかなかの健闘を見せていたが、翌年から客足が激減した。

 吉本関係者によると「土日は満席になるが、平日はガラガラ。お客が1人という日もあった」という。こうなると、気の毒なのは芸人だ。

 梅田や難波と違って、京橋花月のある京橋には他に遊ぶ場所がない。わざわざ、お笑いを見るために足を運ぶ人が多くないのだろう。こういうのを”地乗りが悪い”という。

 一方、「よしもとプリンスシアター」は、東京の品川プリンスホテルアネックスの3階に09年4月にオープンした。出演者の一覧を見ると、笑福亭仁鶴や桂三枝という吉本の重鎮をはじめ、人気若手芸人が多数出演しているが、オープン当初から客足はよくなかった。ホテルに宿泊する客はターゲットになりにくい。ここも、地乗りが悪いのだ。しかも、両館とも、そうした条件に対して、演芸場としては広すぎた。

 両館の閉館の危機の一方で、期待されているのが、今年4月に復活、7月15日にグランドオープンした「祇園花月」だ。吉本は来年創立100周年を迎えて、24年ぶりに京都花月を復活させようと、以前の場所とは違ったところに祇園花月としてオープンさせた。

 新宿にある「ルミネ the よしもと」は団体客を取り込んで、連日、満員御礼の大盛況を続けている。京都は修学旅行のメッカ。吉本は修学旅行生をターゲットに絞りこんだようだから、「ルミネ the よしもと」同様、成功は固いと言われている。ただし懸念するのは、吉本の芸人がテレビに露出しすぎで飽きられてしまわないかという点だ。たけしは、「第3次お笑いブームが来るまで、あと10年はかかる」と言っているが、その起爆剤にするためにも、今から各劇場で、新しいお笑い芸人の発掘に努めてほしい。
(文=本多圭)

マンスリーよしもとPLUS (プラス) 2011年 08月号

誰が誰だか分からない。

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最終更新:2013/09/12 12:30
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