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『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』公開記念小明の突撃インタビュー

「ぬるま湯もウソではないけれど――」入江悠監督『SR3』が叫んだボンクラたちの夢の後先

入江 そうなんです。自分も基本的にインドアで、イックの部屋は自分の部屋ですからね。一応、自分のぼんくらな部分を書いているんですけど、書き込んでいるうちにどんどんその部分を追求したくなっちゃって……。そんなところに熱くなっちゃってるから、分厚くなっちゃうんですよね(笑)。

――読んでからまた映画を見ると、二度三度と楽しめて良かったです! イックが高校を卒業してから音楽の専門学校に行ったように、監督も大学時代に映画の勉強を始められたんですよね。そこで初めて東京に?

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入江 そうです。でも、日大の芸術学部が所沢で……。なぜかいつも池袋でUターンしなければならない。東京に出るために大学行ったのに。

――(笑)。ちなみに、以前ブログに「映画を見せようと努力すればするほど貧乏になる」と書いていましたが、宣伝に行くときは基本的に自腹なんですか?

入江 そう。乗り合いで新潟まで行ったり、北海道まで飛行機で自腹で行っていましたね。最初は旅行気分で楽しかったんですよ。Tシャツとか持って行って物販もやって、なんとかメシ代ぐらいを稼いで、みたいな。札幌では、イックとマイティはパチスロで帰りの交通費とか稼いでましたよ。ろくでなしですよね。

――そうでもしないと帰れないから(笑)。インディペンデント映画は制作側も出演者側も、想像以上にハードなんですね……。

入江 でも、その札幌で、マイティがそれまでにないぐらいパチスロに大当たりして、人生初の風俗に行ったらしいんです。そしたら、出てきたのがイックみたいな女だったっていう(笑)。

――そこは『SR』愛で、ぜひチェンジなしでいってほしいですよね!

入江 ね(笑)。そういうことやっていると、赤字になっていくんですよ。

――あはは! でも、監督みたいな人がお金がなくて映画を撮れないっていう状況がファンとしてはいちばん辛いので、『SR3』は絶対にたくさんの方に見に来てほしいところです。

入江 『SR2』から、もう1年以上空いちゃったんでね。もうちょっと間隔を空けずにやっていかないと、トムさんの老い感が(笑)。もう、あんまりアップが撮れなくなってきたんですよ。早くしないとやばい。あの人、俳優としての欲がないんですよ。カメラに写りたいとかいう気持ちもなくなってきたみたいで、着替えもゴミ袋に入れて持ち運びしていますからね。

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