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元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第134回

「再稼働基準をおおむね満たしている」枝野経産相の“アホの繰り言”再び?

 こうまでされて抗議しない日刊スポーツもどうかと思うが、同じことを報じている週刊文春によれば、そうまでされた意地が、4月8日付けのスクープ「遼 婚約&今オフ結婚」になったというのだ。

 昨年から1勝もできず、マスターズも屈辱の予選敗退。カワイイ婚約者もいるのに、この困った親父のおかげで遼の前途は洋々とはいかないようだ。

 と、ここまでなら正直、2位にしなくてもいいかなと思ったのだ。これよりも、同じ新潮の猫ひろしの記事、「『猫ひろし』五輪切符は金で買われた!」は、カンボジアのナンバーワン・マラソンランナー、ヘム・ブンティン(26)に8時間インタビューして、こう言わせているからだ。

「(中略)僕の自己ベストを超えたこともない。どうしてそんな選手がカンボジアの国旗を背負ってオリンピックに出場できるんだ! 簡単なことだろう、お金だ。お金を払って国籍を買い、オリンピック出場権も買ったんだよ」

 また、国際陸連は最近、国籍変更後の国際大会出場についての規則を改正し、居住期間が1年を切っている場合は、例外を除いて五輪に出場できないとしている。猫のカンボジア国籍取得は去年の10月で五輪は8月だから1年に満たない。

「今回のような“背景”を国際陸連が知れば、例外適用が認められる可能性は低い」(スポーツ紙デスク)

 4月15日に行われたパリ・マラソンでブンティンが猫のタイムを7分近く上回ったため、「昨年10月にカンボジア国籍を取得した猫をめぐって、国際陸連が参加資格を疑問視。五輪参加が認められない可能性も浮上する中での、ライバルの好走。最後は『僕はこの現実をしっかり受け止めます』としている」(4月16日付スポーツニッポン)という。

 だが、月曜日(4月16日)発売の現代とサンデー毎日を見て気が変わった。父・勝美氏のインタビューが両誌に掲載されているのだ。

 現代の「石川遼の『婚約』家族はこう考えている」を読むと、勝美氏の危機感や焦燥感がうかがえる。中でも今回の婚約について、両親に相談することなく二人だけで出した結論だったことに、苛立ちを隠せないようである。

 遼の婚約が早いからといって心配はしていないと言いながら、

「本当に遼が彼女と結婚するのかも分からないし、たとえ結婚せず別れたとしても『どうしたんだ?』と聞くことはないでしょう。(中略)彼女のことだって、いまは『いい子だな』と思っていますよ。でも、それが本当の姿なのか断言する自信はない」

 と話している。これを彼女が読んだらどう思うか。

 結婚をするということは親離れすることである。掌中の玉がどこの誰かも分からない女に奪われ、捨てていかれるのではないかという焦りが、記者たちへの傲慢な態度や暴力につながっているのではないか。

 どこにでもある父と息子の葛藤の物語ではあるが、子離れできない父親ほど哀れなものはない。

 今週のグランプリはポストの原発再稼働への怒りのメッセージにした。

 ポストが書いているように、原発再稼働に慎重だったはずの野田佳彦首相や枝野幸男経産相が、

「4月3日の関係閣僚会合から、何かに取り憑かれたように再稼働に驀進する。野田首相が会合で『新たな安全基準をつくれ』と命じて新基準ができるまでが2日間、枝野氏が新基準をもとに関電に『安全対策を出せ』と指示してから提出まで3日間。わずか1週間足らずで安全かどうかの判断基準を決め、それに基づいて安全のお墨付きを与えるという離れ業を演じたのである」

 そうして枝野は記者会見で「再稼働基準をおおむね満たしている」と言ってのけたことに、「『おおむね』で動かされてはたまらない。あのアホの繰り言『ただちに影響ない』と同じ詐欺的論法である」と怒る怒る。

 原発推進の黒幕はあの仙谷由人で、野田や枝野が弱腰にならないかと、監視しているという。

 野田や素人大臣を操っているのは経産省の「電力マフィア」で、その中心にいるのが今井尚哉資源エネルギー庁次長。原発再稼働には彼の出世がかかっているというのだ。

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