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「限りなくリアルな児ポも製造可能?」CGの技術革新で懸念される児ポ法の新たな問題点

 加えて、従前より「表現の自由」に配慮し児童虐待への効果的な改正を求める人々が主張しているのと同じく、「児童ポルノ」という名称を改めて「性的虐待記録物」などの用語に変更することも提案している。

 この日の講演で園田教授が強調したのは「児童ポルノ」は本質的に相対的なもので、それ自体を定義することは‟できない”という点だ。

「どこの家にもある、家族で水着を着て遊んでいるような写真がポルノサイトに掲載されたとすると、その写真がポルノチックな意味合いを帯びてきます。ここが、児童ポルノの特徴なんです」(同)

polno_002.jpg多くの国会議員も参加した院内勉強会は、
今後も定期的に開催される予定だ。

 さらに、絵やコミックの規制に対しては

「ここで問題になっているのは、児童を性的な対象とする性癖そのものです。今は、それが現実の児童の問題と一緒くたになって議論されています。ですので、議論が複雑になっている」(同)

と指摘。そして、これから問題になるものとしてCGの技術向上についても触れた。

「CGの技術向上によって、現実の児童を傷つけずに、リアルな“児童ポルノ”を制作することが可能になってきます。現在でも、非常にリアルで、現実と同等、区別できないものが製造可能になっている。これは、これから大きな問題になってくるでしょう」(同)

と、現在インターネット上に流通しているCGを掲示しながら説明した。

 実在と非実在がごっちゃになって議論されているのが「児童ポルノ」を巡る議論の最大の問題点だ。そしてCGの技術革新は、そこに新たな問題を生み出そうとしている。

「児童ポルノ禁止法」の議論されるべき点があらためて提示された、今回の勉強会。こうした催しを通じて、より具体的かつ効果的な議論が進むことを願ってやまない。
(取材=永山薫/文=昼間たかし)

最終更新:2012/05/17 18:00
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