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各種マスコミが完全無視! 狂気の不謹慎データベース本『完全自殺マニア』

20120508192558ee1.jpg『完全自殺マニア』(社会評論社)

 漫画家・山田花子が没後20年を迎え、全国の気の利いた書店ではフェアを実施中。かと思えば、卯月妙子が10年ぶりの新刊『人間仮免中』(イースト・プレス)を上梓。90年代末期で勢いを失ったサブカルチャーに復活の兆しを感じる今日この頃である。

 そんな空気にワクワクしながら、ふらりと立ち寄ったのは新宿御苑近くにあるカルト書店・模索舎。持ち込まれたものはなんでも売ることをテーゼとするこの書店は、左翼グループの機関紙と濃いサブカル系の品揃えが売りだ。店に入ったとたん「極左黒ヘルグループ(公安用語)」構成員から模索舎店員へと微妙な転身を遂げたエノモト君が「これが、面白いんですよ~」と一冊の本を持ってきた。ん? この装丁は鶴見済氏の名著『完全自殺マニュアル』(太田出版)……まさか、新装版でも出たのだろうかと手に取って驚いた。

 あの、一世を風靡した超ベストセラー『完全自殺マニュアル』の表紙を、パクった……いや、パロった本のタイトルは『完全自殺マニア』(社会評論社)。ページをめくると、さらに衝撃が走る。なんとこの本は、日本国内での自殺を日本武尊の后の弟橘媛が入水した件から、年代順に追っていったデータベース本なのだ。おまけに、各所の自殺現場を写真で紹介、自殺に関するコラムまでもが掲載される徹底ぶりだ。

 うーん、なんと役に立つ本だろうか! 毎朝ページをめくって「さあて、今日は7月2日、なるほど壬申の乱で敗れた蘇我果安が自殺した日か~」とか、その日に自殺した人物のことを思い浮かべることができる。さらに、年表には「1973年9月6日 立教大学助教授、大場啓仁が教え子を殺害後、静岡県賀茂郡南伊豆町奥石廊崎展望台下にて一家4人で飛び降り自殺」といった具合に、簡潔に自殺の顛末を記しているのだ。あまりに簡潔すぎて「一体どうしてそんなことになってしまったのか?」と好奇心をそそられることは請け合いだ。何より、過去の新聞などでの表記に従って、実名を出している事例が多いのも容赦ない。

 まさに、これまでになかった充実の自殺データベースにもかかわらず、いかなるメディアも書評に取り上げていない。でも、こんな狂った人物に会わずにいられるものかと、早速コンタクトを取った。

 取材を快諾してくれた著者・相田くひを氏だが、条件がひとつ。「顔写真撮影はNG」だという。なんでも、「マジキチ」な読者に襲撃されるのを本気で恐れているのだとか。それはともかく、こんなデータベース本を書き上げるなんて、自殺のどこにひかれているのか? まず聞いてみた。


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