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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.184

人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』

prometheus2.jpg大企業ウェイランド社の重役であるヴィッカー
ズ(シャーリーズ・セロン)が宇宙船の監督
官として乗船。もちろん営利目的ですよ。

 物語は地球から始まる。今世紀末、考古学者のエリザベス(ノオミ・ラパス)は公私にわたるパートナーであるホロウェイ博士(ローガン・マーシャル=グリーン)と共にスコットランドの洞窟で3万5,000年前の壁画を発見する。すでに世界各地の古代遺跡からも同じような壁画が見つかっている。人類や動物たちを従えた巨人が空の星を指さしている図だ。「この巨人は、人類を作り出したエンジニア(創造主)に違いない!」と感動のあまり涙ぐむエリザベス。各地で発見された壁画を分析した結果、巨人が指さす星は実在することが判明。「これは創造主から人類への招待状なのよ!」と主張するエリザベスとホロウェイ博士を隊長にした探査チームが結成され、大企業ウェイランド社が製造した宇宙船プロメテウス号は35光年離れた惑星へと向かう。2093年、それは人類と“創造主”がコンタクトを果たす記念すべき年になるはずだった。

 宇宙船プロメテウス号は2年がかりでようやく“約束の地”である惑星に到着するが、そこは超ハイセンスな高層ビルが並ぶ未来文明都市でもお花畑が広がる桃源郷でもなかった。重金属まじりの砂嵐が吹き荒れる、どちらかというと地獄の一丁目のような荒涼とした風景。宇宙船のレーダーが砂漠の真ん中にある小高い丘をキャッチする。この丘はドーム状の空洞となっており、明らかに人工物だった。エリザベスら探査チームは古代言語に精通したアンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)を連れ、“創造主”に謁見せんと喜び勇んでドームの中へと駆け込んでいく。ところが中は薄暗くてイヤ~な感じ。ようやく発見できたのは、“創造主”のひとりと思われる巨人のミイラ化した遺体と謎の部屋に隠されていた奇妙な壺の数々……! 調査が進み、次第に状況が明らかになっていく。どうやら、この巨人は2000年前に息絶えたらしいこと、この惑星は巨人にとっての母星ではないらしいこと、このドームは何かの実験施設らしいことが分かる。一体、我々の“創造主”はこんなうらぶれた惑星で何の実験を行なっていたのか? やがて宇宙船プロメテウス号の乗組員たちに次々と異変が起き、エリザベスは自分たちがとんでもないパンドラの箱を開けてしまったことに気づく。

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