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より自然で鮮明なHFR 3D映像で、作品世界に没入!『ホビット 思いがけない冒険』

hauj.jpg2012 WARNER BROS.
ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.

 J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』をピーター・ジャクソン監督が映画化し、世界中で熱狂的なファンを多数生んだ壮大なファンタジー3部作『ロード・オブ・ザ・リング』(LOTR)。LOTRの前日譚にあたる待望の新3部作がついに始動、その第1作となる『ホビット 思いがけない冒険』(2D/3D上映)が12月14日に日本公開となる。

 舞台はLOTRより60年前の中つ国。かつてドワーフ王国があったエレボール(はなれ山)は、邪悪なドラゴンに支配されてしまった。ホビット庄で平穏に暮らしていたビルボ・バギンズは、魔法使いガンダルフに推挙され、王国の再建をかけエレボール奪還の旅へ出るドワーフらの一行に思いがけず参加。次々に危険が降りかかる旅の途中で、仲間とはぐれたビルボは、迷路のような洞窟でゴラムと遭遇。ゴラムが落とした指輪を手に入れるが……。

 LOTRでビルボを演じたイアン・ホルムに顔立ちが似ていることもあり、英国人俳優マーティン・フリーマン(41歳)が本作の主役に抜擢されたが、全3部作のフロド役イライジャ・ウッドに比べるとフレッシュさに欠けるのが少々残念。とはいえ、ガンダルフ役のイアン・マッケラン、エルフ族のヒューゴ・ウィービングとケイト・ブランシェットら懐かしい面々が次々と登場し、旅の気分も次第に盛り上がってくる。

 最新のVFXを駆使したクリーチャーや背景、アクションシーンの緻密でダイナミックな映像表現は、本作でさらに磨きがかかった。パフォーマンス・キャプチャー技術でアンディ・サーキスが演じたゴラムの表情は、長時間のアップにも耐えるほど一層リアルかつ繊細に。ビルボとの「なぞなぞ勝負」でくるくる変わる感情が見事に描き出されるシーンでは、試写会場でも大いに笑いが起きていた。

 なお、本作の映像を満喫するには、HFR 3D(ハイ・フレーム・レート3D)方式で上映される映画館での鑑賞がオススメだ。これは毎秒48フレームという現在の標準の2倍となるフレーム数で映写するもので、従来の3Dよりもさらに自然で鮮明な映像で作品世界に没入できる。3D映画にしてはカメラ移動やカット編集の多い本作のアクションシークエンスでも無理なく楽しめ、また背景を広く写す引きのショットでは細部までクリアで美しい絵画のようなシーンを堪能できる。対応する劇場が少ないのが課題だが、今後増えていくことを期待したい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ホビット 思いがけない冒険』作品情報 
<http://eiga.com/movie/53762/>

最終更新:2012/12/14 21:00
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