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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.249

マニアも知らない歴史遺産級の劇場が続々登場! 映画がもたらす祝祭的悦楽を追う『旅する映写機』

eishaki_01.jpg個性的な映画を上映してきた「シアターN渋谷」。黒字経営だったものの、デジタル化の波に呑まれ、7年間の歴史を終えた。

 肉体が滅んだ後も魂は生き続ける。ドキュメンタリー映画『旅する映写機』を観ながら、そんなことを考えた。映画の冒頭、2012年12月に映画ファンから惜しまれつつ閉館した「シアターN渋谷」のその後が映し出される。“サヨウナラ シアターN”と壁に書かれた館内では撤去作業が行われ、映画館の心臓といえる映写機が取り外されていく。運び出された映写機は鉄屑として回収されるわけではない。すでに日本では製造中止となった映写機は貴重なもの。その価値を知る関係者に引き取られていく。上映システムのデジタル化が進み、長年フィルム上映を続けてきた町の小さな映画館が次々と閉館に追いやられている。だが、回収された映写機たちは、再びスクリーンに夢を投影する機会をじっと待っているのだ。映写機たちはどんな輪廻転生を果たすのか? 『旅する映写機』の森田惠子監督はカメラを手に、映写機の行方を追って全国各地を回った。

 旅の起点は北海道の小さな町からだった。人口1万4000人という浦河町で90年以上にわたって営業を続けている驚異の映画館「大黒座」をクローズアップした『小さな町の小さな映画館』(11)を撮り上げた森田監督は、大黒座に鎮座する年季の入った映写機は、1992年に閉館した札幌のミニシアター「ジャブ70ホール」で使われていたものだと知る。札幌で多くの人たちに夢を与えてきた古い映写機は170km離れた浦河町に再就職し、その後も多彩な夢を紡ぎ続けてきたのだ。映写機は映画館と共に運命を終えるわけではないことを知った森田監督の1年4か月に及ぶ撮影旅行はこうして始まった。


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