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マスクバカ売れ、繁華街はガラガラ、海外避難組まで……韓国「MERSショック」現地レポ

mars0611.jpgイメージ画像(anytka / PIXTA)

 感染が拡大しているMERS(中東呼吸器症候群)によって、さまざまな分野でダメージを受けている韓国。感染者は122人を超え、隔離者は3,400人を超えている(11日時点)。筆者はソウルから遠く離れた釜山に暮らしているが、釜山でも患者が出ており、ウイルスは事実上全国に広まっているといえる。初期対応が遅れた政府への怒りとウイルス感染への恐怖で震えている韓国国民だが、この事態に日常生活にも変化が起きている。

 例えば、風邪をひいてもめったにマスクを使わない韓国人だが、さすがに致死率40%のウイルスはインパクトが強かったのだろう、全国的にマスクがバカ売れしている。特に「医療用のN95マスクがいい」というウワサが広がり、薬局などに問い合わせが殺到。「マスクは不要だ」と公言しておきながら、N95マスクを着けて公の場に現れた保健福祉部長官の姿がさらに火をつけ、品切れ騒ぎが起こった。

 こうしたこともあり、街を歩く人の半分以上はマスクを着用。地下鉄などでは、マスクをしないまま、あるいは、せめて口を手でふさがないままクシャミや咳をすると、周りから冷たい目で見られたり、文句を言われたりするほどだ。
 
 また、MERS感染者と確認された医師が1日に江南区で行われた大型地区イベント(1,500人規模)に参加していたことが発覚したことから、“MERSショック地域”といわれるソウル・江南のマンションでは「エレベーターのボタンは指ではなく、ヒジで押してください」と貼り出された案内文が登場。ここまでくると少しやりすぎな気もするが、住人たちは手袋をはめてボタンを押すなど、他人が触れたものは極力避けている様子である。

 ちなみに韓国といえば、一つの鍋や大皿料理をみんなでつつきあう食文化であるが、それにも変化が。最近は、なるべく一緒につつかないメニューを選び、他人の箸やスプーン、唾液を警戒しながら食事をする人が多いようだ。同じメンバーでランチをすることの多いサラリーマンたちは、特に気をつけているとか。

 ところで、MERSの一番の予防策は、他人との接触を避けることだが、最近は外出を控える韓国人が増えている。地下鉄の代わりに車を利用する人が増え、通勤ラッシュ時も地下鉄はさほど混んでいない。駅や公園、映画館、デパート、大型スーパーなど、いつも混雑しているはずの場所は、人影が通常の3分の1程度。おかげで、ネット通販が盛況だという。

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