日刊サイゾー トップ > インタビュー  > “孤高の芸人”永野、荒木師匠を目指す!?

「ラッセンが好き~♪」でプチブレーク 孤高の四十路芸人を脱した永野が次に目指すは“21世紀の荒木師匠”!?

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――ただの怪しいセミナーみたいな感じかと思ったら、めちゃくちゃ内容濃いですね。

永野 やりますよ。新ネタを交えた単独プラス、ふれあいの会もして。僕ね、営業とかで「わ! 永野さん来てくれた」って、そういうの大好きなんですよ。今までなかったことなので。ただ、これは声を大にして言いたいんですけど、東京のライブでは終わったら帰ってください! ライブの後に来られるの、すっごい嫌なんですよ。ライブのお客さんって、狭い感じというか、重い感じで近づいてくるから。イベントは100%全力でやりますから、終わったらすぐ帰れ! 

――(笑)。

永野 あと、これも言っておきたいんですけど、4,000円って、ちょっと高いと思うでしょ。お笑いのDVDっていま、ロープライス化してるから。でも2,000円だったら、2,000円の内容しか作れない。まあ、これも脱毛キャンペーンの車内広告からパクッたんですけど。<安い脱毛からは安い達成感しか得られない>って。でも、本当にそうだなあって。実際このDVD出したら、“今後ライブやる意味あんのか説”が急浮上してるんですよね。なぜなら、これは生でもない映像でもない、新しいDVDなんで。今後、生の意味が弱くなると思う。表現手段としてね。ヘタしたら、11月28日がラストライブになる可能性もある。

――……そこまでご自身を追い詰めて、大丈夫ですか?

永野 中流家庭で育ったんですけど、思想はゲットー育ちなんで。お母さんが作ってくれた温かいご飯を食べて育ってきましたけど。実際アングラでやっていた時より、DVDの内容は尖ってます。卑猥なもの、ヤバいことこそ最先端の笑いだっていう時期はとっくに超えてる。

――ヤバいことこそ最先端の笑いっていう風潮は、確かにありますね。

永野 それはもう時期です。思春期や反抗期と一緒で、いつまでもやってられるもんじゃない。若い頃はかっこいいと思うんですけどね、そういうの。でもね、僕は歌もののDVDを出すつもりはない。そういうことじゃないんです。昔より、めちゃくちゃやばいんですよ。

――“お笑いわかってるやつは永野が好き”みたいな意見は、本人としてはどう感じていたんですか?

永野 正直、最初はうれしいじゃないですか。コアな感じって。お笑いを追求するみたいなの、はやってたし。でも、よく考えたら僕、別にお笑い命じゃなかったんですよ。持ち上げられて調子に乗った気持ちと、「あれ?」っていう気持ちと、両方ありましたね。

――「カルト」の称号って、表に出さないための鎖みたいな意味もありますよね。

永野 バナナマンさんのラジオに呼んでいただいたときに、そういう話になったんですよ。昔は孤高の芸人とかカルト芸人とか言われて、でも本当の僕はテレビに出たかったって話をしたら、バナナマンさんが「すっごいわかる」って。自分たちも、もともとはテレビに出てやりたかったのに、いつのまにかストイックな単独をかけて、お笑いを追求するみたいな方向に行っちゃったんだけど、ある時「別にそうじゃなかったよね」って思い出したと。本当はテレビに出てわーってやりたかったのに、売れないもんだからひねくれちゃって、お笑いを求道する方向に行っちゃって、そこで評価されると抜け出せなくなる。

――永野さんは、その紆余曲折に悲哀感がないのが素敵です。

永野 一番嫌いです、もう。悲哀とか最悪。テクノも通ってたんで、僕は。テクノに悲哀はないから。何度も言いますが、悲哀は最悪。芸人のいい話とか、あれが暗くさせるんですよ。お笑いを、日本を。そんなの独り言でいいのに、Twitterとかでわざわざ「あーもっと漫才うまくなりてえ」ってつぶやく芸人いるじゃないですか。知らねえよ、バカ! って。それにファンも「頑張ってください」とか「すごいストイックですね」とか、あぁ気持ち悪い。なんなのそれ? とか思っちゃって。もっと言うと最近、本当にそういう連中とは違う人種だなって。

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