日刊サイゾー トップ > その他  > 『ひるね姫』神山健治がアニメ業界を語る
【おたぽる】

「賃金や人手の問題、決して楽観できない」 『ひるね姫』を鋭意制作中の神山健治監督が見出したい新たな希望とは?

 12月3日と4日、名古屋のナディアパークにて「デジタルコンテンツ博覧会NAGOYA」が開催された。当イベントは2014年より開催され、今回が3回目。初日の3日には、神山健治監督の特別講演「日本のアニメの、これから。」が行われた。本稿ではその模様をお伝えする。

kamiyama1.jpg写真:神山健治監督特別講演「日本のアニメの、これから。」

 名古屋は2年ぶりという神山監督。講演では小学3年の時に観に行った映画『シンドバッド虎の目大冒険』、高校時代の自主制作アニメ、現在上映中の映画『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』(総監督)についてたどりながら語った。

 目下、期待が高まっているのが、17年3月18日の封切りに向けて鋭意制作中の映画『ひるね姫~知らないワタシの物語~』。神山監督は「アニメに求められているものがすごく増えてきていますね」と『ひるね姫』の制作動機に触れた。

「(自身が監督したテレビシリーズ)『東のエデン』(09年)の頃には、青春群像劇だけでがオリジナルアニメを作れなくて、よっぽど売れている青春群像劇の原作を持ってくるしかないと言われていました。今は、もっと自分たちに身近な物語や登場人物を見たいという観客の要望によって、そういう作品が増えてきてますよね。その反面、ハリウッド超大作みたいな作品も作られて、世界中で観られているという状況の中で、アニメが色んな映像、映画からCMも含めて需要が増えて大きくなってくと思ってるんです」(神山監督)

kamiyama2.jpg写真:神山監督

 そうした状況を背景に「『ひるね姫』は偶然だったんですけども、自分の娘に観せられるような作品、観てほしいし観たいと言ってくれるような作品ができたらいいなといったとこからスタートしています」と神山監督。気になるその内容は「ただ僕が作ると単なる青春群像劇には収まらなくなったと言いますか、SF要素はそこまでないんですけど、ガジェットも出てきますし。まぁ普通の女子高生の話ではありますが……。ロボットの出し方は皆さんが想像してるのとは少し違うかもしれないですね」と語るに留めた。

『ひるね姫』では主人公・森川ココネのキャストを、NHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で知られる高畑充希が務めることも話題だ。神山監督は「『とと姉ちゃん』が終わってから声を録らせていただいたんですけど、表現力のある方で、生きている女子高生になったかなぁと思います。あと主題歌も歌って頂いていて、ミュージカルもされてるので本当に表現力がありますね」と評価した。

kamiyama3.jpg写真:『ひるね姫~知らないワタシの物語~』

 その流れで神山監督はキャストの選考方法を、「なるべく誰なのかを聞かずに声だけを聞いてます」と明かした。そして「声の中に必ずその人の資質みたいなのが埋まっていて、出てくるキャラクターと似てますよね。僕の全ての作品そうなんですが、タチコマ(『攻殻機動隊』シリーズ)の玉川(砂記子)さんも似てるかもなぁ」と笑わせた。

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