日刊サイゾー トップ > その他  > 『ひるね姫』神山健治がアニメ業界を語る
【おたぽる】

「賃金や人手の問題、決して楽観できない」 『ひるね姫』を鋭意制作中の神山健治監督が見出したい新たな希望とは?

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写真:会場内『ひるね姫』制作資料展より背景

―― 決められた期間内で作品を完成させるには?

神山 まさに今その最中なんですけども、特に原作のない作品を作る時に『アイデアを出すとかの無形の部分にお金をかける意味はあるんだろうか?』とか問われます。原作があるものは売れてるから人気があるって結果が分かってるわけですが、原作が作られてきただけのお金と時間をかけさせてもらえないんです。オリジナルを作っていかないとなかなかアニメ業界は良くならない。今その現状があって、そこが苦労してる部分かなと思ってます。

―― 作品における社会問題との向き合い方は?

神山 脚本家さん何人かとチームを作ってやってるんですが、最初は無駄話をしてるんですよ。『あいつら会議室で14時間も何やってんの?』みたいなことを。そうするとだんだん興味の対象みたいなものが出てきて、この人はこういうことを思ってるんだなとか、それだったらこういうことを掘り下げてみようとか、そういうのを物語の中で解決する方法はないのかとか、考えてるうちにテーマが見つかる感じですかね。

kamiyama6.jpg写真:会場内『ひるね姫』制作資料展より設定

―― 『精霊の守り人』のドラマ版(※別監督/NHK)はどうですか?

神山 アニメが得意なところと実写が得意なところがあるんですね。実写で上手くやっているなとか、苦手なところをどうするんだろうとか思って観てるんです。『いいよなアニメは。夕日がすぐ撮れて』とか思われてるかもしれないし、『何でアニメは止まったまま会話してるの?』とか思われてるかもしれないです。そういうお互いの得意不得意というか持ち味が違うので、色々と勉強になりましたね。一監督として観られなくなる弊害はあるんですが。

―― 映像で魅せる面白さと脚本で魅せる面白さのバランスは?

神山 TVシリーズの時は映画より映像にお金と時間をかけられないというのがあって、万が一、映像で上手くいかなかったとしても脚本で面白くしようと考えます。テレビの場合は、お皿を洗いながら観てても分かるようにしなきゃとかいう意識の違いだと思います。映画は画で語らないといけないので、セリフを切ったとしても同じ気持ちになるようにするにはどういう画作りにすればいいだろうというアプローチの違いですね。
(取材・文/真狩祐志)

■『ひるね姫~知らないワタシの物語~』
http://www.hirunehime.jp/

■デジタルコンテンツ博覧会NAGOYA
https://www.digihakunagoya.com/

最終更新:2016/12/10 07:15
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