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また、あいつらが“仕掛けて”きた! 気持ちよく振り回されたい『山田孝之のカンヌ映画祭』

「芦田愛菜です。よろしくお願いします。」と答える児童。

 芦田愛菜だった。

 当たってた。

 このとき、タイムラインが一斉に「芦田愛菜」になる現象が。

 禿げた男性はマネジャーらしい。

 戸惑いながら「親殺し」のことは聞いてるかと聞く山下に、「はい」と当然のように頷く芦田。いや、愛菜ちゃん。この瞬間、公園のカラスが騒ぎ出す。演出だとしたら恐ろしいが、偶然だろう。

 カラスもたじろぐキャスティング。カンヌと親殺しとランドセル。咀嚼しきれない。

「全然不安はない、絶対できます」と山田。彼には、もう見えているようだ。

 ここでエンディング。

 次週「第二話 カンヌを学ぶ」の予告で、大学のような場所で必死にノートをとる愛菜ちゃん。どうやら悪夢は続くらしい。

 ぞわぞわしつつ、エンドロールを眺めていると、「語り 長澤まさみ」の文字が。冒頭から聞こえてたナレーションは長澤まさみであったことに気づかされる。またタイムラインが活気づく。

『赤羽』後のインタビューで監督2人は、世間のリアルタイムなリアクションや議論を非常に面白がっていた。前回で知ったその反応を、今回はより強く意識して「仕掛けて」きたはずだ。

 初回でこれだ。

 見た人はがっつり掴まれたことだろう。

 さてこうなってくるとハードルは上がってしまう。

 どう展開するのか? どんな結末になるのか? 愛菜ちゃんの出落ちを越えられるのか?

 よこしまに考えてしまうが、一番楽めるのは、素直に観て、驚いて、振り回されることだろう。

『赤羽』から観ていて、ひとつ気になったのは、山田孝之は決まった台本を演じることに飽きてしまったのでは? という懸念だ。

 同じことを何度も繰り返し、自分のセリフも相手のセリフの決まっている台本での芝居に比べて、これらの掛け合いは多分に刺激的なはずだ。カメレオン俳優などの評価を得て、早くも物足りなさを感じてしまっているのではないだろうか。

 ダウンタウンが漫才よりもフリートークを選んだように、山田もドラマよりもモキュメンタリーを選んでいるのではないだろうか?

 それは極論だとしても、「狂った山田孝之」を「演じる」山田孝之には、他の芝居の時とは違う興奮を感じる。

 今回、このドラマに振り回されつつも、山田のなかなか掴めない素顔も垣間見れたらと思う。
(文=柿田太郎)

最終更新:2017/03/23 16:33
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