日刊サイゾー トップ > その他  > モノブライト出口博之の特撮自由帳(10)『ウルトラマンジード』と“親子”
【おたぽる】

新作ウルトラマン『ウルトラマンジード』放送直前! 特撮における“親子関係”とは

 こんにちは、モノブライトのベース、出口です。
 昨年の『ウルトラマン』50周年の盛り上がりは記憶に新しいですが、今年は『ウルトラセブン』50周年を迎えます。半世紀以上にもわたってファンに愛され、日本特撮のオリジネイターでありながら現在でも新作がコンスタントに制作され続け、今や親子3世代にわたって愛されている円谷プロのウルトラシリーズから、新たなヒーローの情報が発表されました。

1706_degu00.jpg『ウルトラマンジード』公式サイトより

 その名も『ウルトラマンジード』(以下、ジード/7月8日よりテレビ朝日系にて放送開始)。前作の『ウルトラマンオーブ』と同様に単独作品ということもあり、「ウルトラシリーズがまたテレビで見られるぞ!」という至上の喜びに包まれております。そして、何より一番期待が高いのは『ジード』の設定でしょう。ウルトラマンジードはウルトラシリーズ稀代のアンチヒーローにして特異な存在感を放つ「ウルトラマンベリアル」の実子という設定なのです!

 これまでの日本特撮の歴史を振り返っても親子関係にあるヒーローは存在しますが、ここまで明確に敵(とは言えベリアルは元・光の戦士、ヒーローではあるが)の息子が主役になるパターンはほとんどないと思います。新しい血を巡らせ新陳代謝を促し次世代にシリーズの魂を継承していくチャレンジ精神は、斬新な設定だけではありません。シリーズ構成・脚本に、小説・ライトノベルを中心に活躍し、幅広いファン層を持つ乙一さん。これまでに見たこともない新しいウルトラマンの物語が紡がれることが約束されているのです。

『ジード』は「血縁関係が明確に言及されているヒーロー」ということになりますが、そもそも特撮ヒーローの血縁関係が明確に言及され始めたのはどこからなのか。そして、その影響はどのように現在の作品に受け継がれているのか。今回の特撮自由帳では、その辺りについて色々と振り返りつつ考察してみたいと思います。

・血縁関係もののパラダイムシフト
 特撮作品で血縁関係を大々的に打ち出し二世ヒーローカテゴリの礎となる作品と言えば、やはり『ウルトラマンタロウ』(73~74年)でしょう。ウルトラマンケン(ウルトラの父)とウルトラウーマンマリー(ウルトラの母)の間に生まれた息子がウルトラマンタロウ、というのは今では一般常識レベルで浸透しています。しかし、ウルトラの父が初めて私たちの前に登場したのはタロウの父親としてではなく、前作に当たる『ウルトラマンA(エース)』(72~73年)第27話で、ヒッポリト星人の策略によりブロンズ像にされてしまったウルトラ兄弟のピンチを救うべく駆けつけた時です。この時ウルトラの父は「宇宙警備隊の大隊長」、いわばウルトラ兄弟の上司、上官的な立場でした。

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