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公開記念トークレポート

フィリピン映画『ローサは密告された』を伝説の映画作家・原一男が絶賛「日本は軟弱な映画ばかり!」

フィリピン映画『ローサは密告された』を伝説の映画作家・原一男が絶賛「日本は軟弱な映画ばかり!」の画像1

 当局の腐敗と貧困にあえぐ現代フィリピンの庶民を描き、主役のローサを演じた女優ジャクリン・ホセにフィリピン初のカンヌ国際映画祭主演女優賞をもたらした映画『ローサは密告された』が先週公開され、早くも話題を呼んでいる。

 先月30日には、『ゆきゆきて、神軍』(1987年)、『全身小説家』(94年)などで知られるドキュメンタリー作家・原一男が公開記念トークイベントに出演。同作に「フィリピン社会の持つ矛盾と腐敗、絶対的貧困。そして警察権力の賄賂の横行。そんな唾棄すべき世界の中で、そこでしか生きられない民衆に注ぐ映画人の優しい眼差し。この作品の最大の見所は、庶民を見つめる作り手の優しい眼差し、そのものである。」とコメントを寄せていた原は、壇上に用意されたイスに座ろうともせず、30分間にわたって熱弁を振るった。その様子をお伝えしたい。

フィリピン映画『ローサは密告された』を伝説の映画作家・原一男が絶賛「日本は軟弱な映画ばかり!」の画像2

■日本映画は「余命が間もなく……」という軟弱な映画ばかり!

 昔、私が助監督していた浦山桐郎さんは「映画は人民のものである」と言いました。人民=市井の人々、つまり映画は貧困層を描くものでした。しかし、世の中が豊かになるにつれて、誰も社会派映画を欲しなくなりました。今の日本は「余命がもうすぐ……」という難病でお涙頂戴な映画ばかり。

『ローサは密告された』を見て強く感じたのは「日本は変わってしまった!」ということでした。フィリピンに比べて日本は豊かになりました。でも「幸せか?」と言われると「ウーン……」となる世の中です。弱者への共感、人間に対する思いやりがある作品があると「生きているのだなぁ」と感じます。

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