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二次元キャラと結婚したい!! 署名活動まで企てた男の“深すぎる苦悩”に迫った

■もっと署名が集まれば、本気になることができたが……

 しかしその後、署名が提出されることはなかった。というのも、署名の目標数は100万筆。それに比べると、数千では足りなかったのか。

 それから、もうすぐ10年。署名の企画者である高下太一なる人物は、どうしているのか。今回、取材班は、この企画者に接触することができた。

 企画者の高下さん──当然、偽名だ──は、現在42歳。都内某所で暮らしている。もちろん現在も独身だ。

「あの頃、私はしばらく悩んでいたことに決着をつけたばかりだったんです」

 その時、高下さんが悩んでいたのは、二次元キャラのどちらを選ぶかということ。それは、どちらも当時話題だった『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場するキャラクターだった。

「世間では、長門人気が高かったんですが、ぼくは鶴屋さんか、みくるかで本気で悩んでいました。仕事の間もずっと考えて、何度もアニメを観て、ついに、みくると一緒に過ごそうと決めたんです」

 みくるはともかく、鶴屋さんは、そんなに人気だったろうか。取材班がポロリと本音を漏らすと、高下さんは急に不機嫌な顔をした。

「どのキャラを愛そうが、個人の自由じゃないですか!!」

 そこからしばし、高下さんが人生の中で出会った、嫁にしたいキャラの話が続いた。学生時代にハマっていた『サクラ大戦』では、当初は多くの人がそうであるように、真宮寺さくらを選んでいたのだが、テレビアニメを観ているうちに「藤枝あやめが可愛く見えてしようがなくなってきた」という。さらに『新世紀エヴァンゲリオン』ではどうだったのかと聞くと……。

「みんな綾波かアスカとかいってたけど、なんだかんだと守りたくなったのは、伊吹マヤだった」

 さまざま、変遷はある様子。ともあれ、みくるを愛そうと決めた頃に、たまたまネットで見つけたのが、オンライン署名サイトという、新しいネットのサービスだった。

「最初は、多くの人がやっていたみたいに『AVからモザイクをなくせ』とか、ネタみたいな署名を開設して遊んでいたんですが……ふと、思ったんです。そうだ、これを使えば自分の決意を世間の人に見せつけることができるんじゃないかと」

 最初は、これもネタ程度で終わるだろうと思っていた。それが、ネットニュースなどに取り上げられて話題になったのには驚いたという。

「ネットニュースだけでなく、いくつかの海外メディアからは出演依頼がありました。それどころか、某テレビアニメの制作会社からは“DVD特典に収録したいので、作者との対談に出演してくれないか”なんて……」

 でも、そうした依頼には一切応じなかった。

「署名がどんどん増え、取材依頼が押し寄せるにつれて、だんだん冷めていったんです。取材に応じたら署名は増えるかも知れない。でも、みくると結婚したいヤツは、もっとたくさんいる。そういうヤツらと嫁を共有することができるのかと悩んでしまったのです」

 結局のところ「もしも、取材に応じてしまったら、永遠にみくるを愛し続けないといけないと思いビビった」のだと高下さんはいう。

 それから幾星霜。40代になった高下さんは、まだ二次元キャラへの愛を模索しているのか。その答えはイエスだ。

「ここ数年。佐世保提督として戦って来ました。今は昔ほど悩むことなく重婚上等でやってます。でも、真の嫁は比叡……とはいっても、山城も愛しているし、川内も可愛いし……」(※註:『艦これ』の話です、念のため)

 最近は深夜アニメを観る機会が減ったという高下さん。もっぱら熱を上げているのはコスプレイヤーだという。

「コスプレイヤーと仲良くなれば、いろんなキャラと恋愛している気分を味わえるんじゃないかと思っているんです。しかし、三次元の攻略はなかなか難しいですね」

 どこから聞いたのか「高いカメラを持っているほうがモテる」と信じているという高下さん。最近買ったんですと取り出したのは、ライカM10であった。

 もはや、この生き様は業なのか。彼の人生に幸あることを祈りたい。
(文=特別取材班)

最終更新:2017/12/02 16:00
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