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『あなたには帰る家がある』ユースケ・サンタマリアの家族愛に号泣も、“泣き”を引き出す演出がダサすぎ! 

■“笑い”からの“ヒューマン”演出がダサ過ぎる!

 今回は後半全体が見せ場に。慎吾が太郎の子どもではなく綾子の姉の夫の子どもであると綾子が慎吾に伝えるシーンや、太郎が綾子の姉夫婦に慎吾を「うちの1人息子です」と紹介するシーン、太郎が離婚届を綾子に渡し慎吾が太郎と暮らすことを選ぶシーンなど、見せ場が多くて、感動するシーンばかりで、不倫ドラマが急にヒューマンドラマに(笑)。舵きり過ぎだろと思ってしまいましたが、「これはこれで良し」との反応が多く、視聴者は楽しめたようです。

 ただ、前半がコメディードラマ演出なのがすごく残念。確かに、突然映画『タイタニック』の主題歌が流れたり、綾子との珍道中のケンカなど、笑わせてはくれるんですが、後半をヒューマンドラマ演出で泣かそうと思っているのが見え見えで、正直ダサい。そんなことをしなくても、後半の内容だけでも泣けるはず。

 また、同ドラマ全体を考えると、不倫ドラマから始まり、綾子の頭がおかしい行動でサスペンスホラーになり、怖くならないようにところどころでコメディーを入れて、今度はヒューマンに。正直、要素が多すぎてワケがわかんないドラマになっています。なんだか、金曜ドラマの名作を全部ぶっこんで見ました感がハンパない。

 プロデューサーはドラマ放送前に「大人向けの名作を生んできた『金曜ドラマ』を復活させたい」といった旨のコメントを残していましたが、その結果がこれ……。もう、残念でならない。『あなたのことはそれほど』(TBS系)のヒットを考えると、同ドラマも不倫ドラマとして悪くはなく、もう少し視聴率があってもいいはず。しかし、実際2ケタに届かないのは、この点に原因があるかもしれません。

■太郎の家族観が「素晴らしい」と大評判

 “第二の高橋ジョージ”と視聴者から認識されてしまったモラハラ夫の太郎ですが、今回、綾子への一途な思いと、家族愛を吐露する場面が視聴者にすごく響いたみたいです。

 太郎にとって綾子は初めて付き合った女性で、許し難い今までのモラハラ行動もその女性を幸せにしたい一心でやっていたよう。さらに、実の子どもではない慎吾も自分が育てたなら自分の子だと、真弓に泣きながら語る姿が、今まで父親の威厳を保とうと威張っていた太郎と別人すぎて、なんだか小さく見えてくるんですよ。そのギャップが女性の心を掴んだようで、「めっちゃいい人! 太郎かわいい!」「太郎頑張れ〜!」といった声が。一瞬でファンが急増したようです(笑)。また、この場面に関しては、ユースケの演技も良く、本当は常識があり、むしろ聖人だった太郎を演じきっていたように思えます。

 ただ、それまでは所々に素のユースケが出ていて、『「ぷっ」すま』(テレビ朝日系)を見ている気分になっちゃうんですが(笑)。真弓とご飯を食べるシーンや葬式のシーンを見ていると「あれ、こんなシーン『「ぷっ」すま』にあったような……」と思ってしまう。1話からそういう風に見ないようにしようと思っていたんですが、前回声高らかに「ハッピバースデートューユー~」と歌いだしたシーンで、もろユースケ感が溢れだしていたため、今回無意識にユースケ感を探すように……。できれば、前回ではなく最終回で出してくれたほうが、そういう邪道な考えを持たずに済んでよかったのに……。ちょっとこの部分が残念な点と感じました。

■真弓がついに仕返しに乗り出す!

 今まで、綾子にやられっ放しだった真弓ですが、今回は最後の最後で、綾子に復讐を開始します。

 その復讐というのが、太郎と一緒になって幸せになると綾子のいる前で宣言するというもの。今まで、いろいろ嫌味を言ってきた男を好きになるって「おい真弓、あんたチョロすぎるだろ!」とツッコミたくなる上、「え!? 両親入れ替えって……。『ママレード・ボーイ』(集英社)みたいな展開になるの?(笑)」と、昼メロから今度は少女マンガみたいな非現実的な展開になるのかと、ちょっと驚きました。

 でもこれは“真弓の計算”とのことで、そんな展開にならないとわかりひと安心(笑)。

 綾子が姉の夫を寝取ったという前科があることを知った真弓は、「綾子には人のものを欲しがる癖がある」と考えてこの行動に出たようです。まあ、優しい真弓のことだから、太郎の気持ちを聞いて、「太郎と綾子を元サヤに戻してしてあげたい」という考えもあるのかもしれませんが。

 最終回はこの真弓の行動がポイントとなるようです。はたして、これが吉と出るのか凶と出るのか、そしてどんな結末で終わるのか。今回の最後の展開で、先がまったく読めなくなったため、原作で結末を知っている人も楽しめそう。期待して放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

最終更新:2018/06/22 20:00
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