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自分の気持ちに正直になった時、人は心から笑うことができる――ドラマ『チア☆ダン』第9話

TBS系『チア☆ダン』番組公式サイトより

(前回までのレビューはこちらから)

「一人はみんなのために、みんなは一人のために」

昔からよく言われる言葉だ。スポーツやドラマなど、さまざまなシーンで使われているようだが、私が認識したのは、NHKで放送されていた『アニメ三銃士』が最初だった。あれから30年ほど経つが、折りに触れ、この言葉が思い出される。チームで何かに取り組む時、個人としての思いを、どの方向に向けるのか。それを見極めるための指針となる言葉だと思う。

 ドラマ『チア☆ダン』(TBS系)第9話を見ていて、改めてこの言葉を思い出した。

 チアダンス関西予選大会で2位となり、全国大会への出場権を得たROCKETS。福井西高校では、学校中その話題でもちきりとなり、地元紙でも取り上げられるほど。顧問・漆戸(オダギリジョー)の怪我も回復し、間もなく退院というところまできていた。全国大会まであと40日。メンバーたちは、コーチであるあおい(新木優子)の指導の下、より一層力の入った練習をするのだった。

 部長として、みんなの先頭に立って練習に取り組んでいたわかば(土屋太鳳)だったが、ある日、左足の膝に違和感を覚える。練習中、無理をして踊っていることに気付いたあおいに付き添われ、病院で診察を受けると、膝の靭帯を損傷しており、治るには早くて1カ月がかかるという。

「全国大会に出られないかもしれない」

 そんな不安がわかばを襲う。「全国大会でJETSに勝つ」という、夢の入り口まで来たところで、大きな壁が立ちはだかったのだ。それはどれほどのショックだったろう。カラ元気で、明るく振る舞ってみるものの、どこか自暴自棄になってしまう。そんなわかばに、姉であるあおいは、「他のメンバーのサポートをするのも大事な仕事」と伝えるのだ。

 思い悩むわかば。たとえ1カ月後に復帰できたとしても、他のメンバーのレベルに合わせたパフォーマンスをするのは難しいだろう。学校中のみんながROCKETSに期待している今、「JETSに勝つ」という夢はもう、彼女だけのものではなくなっているのだ。

 自分の気持ちを通したら、みんなに迷惑がかかる。そんな葛藤が彼女を苦しめる。そして、わかばが出した答えは、「大会には出ない。サポートに回る」というものだった。

 まさに「一人はみんなのために、みんなは一人のために」の精神だろう。しかし、この言葉、よく考えてみると、少々矛盾をはらんではいないだろうか? 今回のドラマで考えてみれば、わかばが、夢に期待する「みんな」のために、出場をあきらめるのはいい。でも、「みんな」は、わかば一人のために何をしてくれただろう。

 事実、他のメンバーの世話をする姿を見て、汐里(石井杏奈)はわかばにつらく当たる。それは、他の部員も同じようで、わかばに対し、「『こんなに支えてます』って顔されても、正直ウザい」とまで言うのだ。

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