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錦戸亮主演『トレース~科捜研の男~』、視聴率復調の裏に木村拓哉をアゲた“福男”の存在!

文=海女デウス

『トレース~科捜研の男~』公式ホームページより

(これまでのレビューはこちらから)

『トレース~科捜研の男~』の第4話が1月28日に放映された。

 感想から述べると、率直に素晴らしい回だと思えた。見易く温かい内容を受けてか視聴率は前回9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から11.0%に復調。また内容だけでなく、今勢いのあるクリエイターの起用が流れを掴んだ要因かもしれない。脚本家は今年公開の大ヒット映画を担当。さらに演出家も去年のとあるヒットドラマを手掛けた若手ディレクターだった。

 今回は近年のフジ作品をヒットに導く福男たちにスポットを当てながら、第4話の内容を振り返っていく。

■『マスカレード・ホテル』を書いた“アゲチン”脚本家

 第4話の脚本を手掛けたのは岡田道尚氏。『ライアーゲーム』や『信長協奏曲』(ともにフジテレビ系)などのヒット作にも名を連ねている脚本家だ。最近では木村拓哉主演・東野圭吾原作の映画『マスカレード・ホテル』の脚本を担当している。アゲチンなどと下品な表現で語るのが申し訳なくなるほどの若手有望株である。

 まずここで第4話の内容に触れる。礼二(錦戸亮)とノンナ(新木優子)が、兄殺しの容疑で逮捕された同僚・相楽(山崎樹範)の疑いを晴らし、兄の死に秘められた兄弟愛まで解き明かす1話であった。

 岡田氏は手短に語れるシンプルなストーリーラインを兄弟の愛憎で膨らませ、ラストは事件解決とともに視聴者を感動に至らせる。前述した『マスカレード・ホテル』でも、「ホテルの中に犯人がいる」というシンプルな切り口を、刑事・従業員・客たちのさまざまな人間模様で二時間に膨らませていた。

 もう一つ特筆すべきは、岡田氏の登場人物の頑(かたく)なな心境を解きほぐす際の技量だろう。『トレース』第4話でも事件解決までに、礼二とダメな兄を頑なに嫌う相楽の心境を一変させた。それだけでなく消極的だった科捜研メンバーを積極的な姿勢に至らせ、チームの結束力まで高めていた。

 物語の膨らませ方、人物の心境を変える技量、複数人を同時に動かすことの巧さ。

 岡田氏の長所は本作やマスカレード以外の作品でも遺憾なく発揮されている。それが作家性とも言えるだろうし、強みを自覚して前に出せているのかもしれない。クリエイターとしても仕事人としても、優秀な人なのだろう。


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