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エバー航空にパワハラ疑惑、自社CAに「売春」「AV出演」の濡れ衣着せる

帽子を目深にかぶり、今回の事件について抗議の声を上げたCA

 日系航空会社では乗務前後のパイロットやCAからアルコールが検出される不祥事が相次いでいるが、台湾の航空会社はCAにあらぬ疑いをかけて謝罪に追い込まれる事態となった。

 現地メディア「漢豊網」(2月4日付)によると、台湾のエバー航空に勤務するCAに、売春行為および、わいせつ動画への出演疑惑がかけられ、会社側とトラブルになっているという。

 事の発端は昨年12月18日、エバー航空に寄せられた一件の匿名メールだった。このメールには、同社のCAが、勤務で訪れたオランダで売春行為を行っており、さらにその様子を撮影したアダルトビデオ(AV)をネットに公開していると、名指しで書かれていたという。

 会社側は、この情報の真偽を確かめるため、問題のCAと面談を行うことに。ところが、この面談をめぐり、CAと会社側は大きく衝突することとなってしまった。3時間以上に及ぶ面談の中、会社の担当者はCAに対し、これまでの男性関係や疑いのかけられている案件について自白を強要するなどの、セクハラ、パワハラ行為を行ったというのだ。

 CAは労働組合の協力のもと、1月29日に記者会見を開き、潔白を訴えた。

「会社の担当者は、AVに映っていた相手の男性が外国人でタトゥーがあったことを挙げ、『これまでAVに出演したことがあるか?』『外国人の彼氏がいたことがあるか?』などと聞いてきました。私が『これまでAVに出演したことなどない』と否定しても、『それなら、証明しろ』と言われました。とても悔しく、泣き崩れてしまいました」

 その後、メディアの取材で会社側に寄せられた匿名のメールの内容は虚偽の可能性が高く、このCAであるとされていたのは、SukiSukiGirlというタイ人AV女優であることがわかっている。これを受け、会社側は公式に声明を発表し「今回の出来事で、本人の名誉を大きく傷つけてしまい申し訳ありません」と、謝罪の言葉を述べている。

 一方、売春とAV出演の疑惑をかけられ、会社側から理不尽な圧力を受けたCAはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症、業務に復帰できない状況が続いているという。

 エバー航空では先月、白人の搭乗客に無理やりトイレの世話をさせられたCAがこの件を告発するも、会社側は何も対策を講じなかったことが問題視されたばかりだった(参照記事)。問題が噴出するエバー航空、現場のCAが安心して働ける日は来るのだろうか?

(文=青山大樹)

 

最終更新:2019/02/09 16:00
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