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じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

「ナマでヤるのはアリかナシか」で大激論! 型破り中学教師マンガ『鈴木先生』

■生徒は知らない、鈴木先生のヤバすぎる妄想癖

 生徒たちの悩みに真摯に耳を傾け、納得いくまで話し合うという教育スタイルで、生徒人気No.1の鈴木先生ですが、教師として完璧な聖職者かというと全然そんなことはなく、たまたま生徒にバレていないだけで、その裏にはかなりヤバい一面があるといえます。

 本作の絶対的ヒロイン・小川蘇美(そみ)は優等生で聡明、言うべきことははっきり言う、キリッとした美少女。クラスのマドンナ的存在です。男子生徒のファンが多数おり、時には彼女が原因で男子同士がいがみ合うことも。

 鈴木先生にとっても蘇美は、神聖視するほどにお気に入りの存在。しかし、次第にそれが歪んだ欲望へと変わっていきます。鈴木先生の夢や妄想の中で、裸で登場したりします。また、レインコートに長靴姿の蘇美を見て萌えたり、スクール水着姿にソワソワしたり、シャンプーの残り香にウットリしたり……。さらに学年中で、蘇美が誰が好なのかを詮索するウワサが広まり、それを聞きつけた鈴木先生は、相手が誰なのかを気にしすぎるあまり下痢になったり……これら一連の鈴木先生の失態は「小川病」と呼ばれるのですが、このようなキモめのシーンが延々と続きます。

 生徒に絶大な信頼を得ている聖職者も、一歩間違えればロリコンスレスレの性癖を持っている――。そんな教師たちのリアルな実態に迫っているともいえますが、文化庁の賞を獲っていながらも、この作品が賛否両論なのは、こういうシーンが堂々と描かれているからでしょう。。

■最大の修羅場! デキちゃった婚で学級裁判にかけられる鈴木先生

 教師といえば、生徒に対し「責任能力がないのに、安易にセックスするな」とか、「もしするんだったら、絶対ゴムをつけるように」などと偉そうに指導する立場です。

 そんな立場の鈴木先生が、なんとデキちゃった婚をすることになり、生徒たちが騒然。鈴木先生を告発する学級裁判、通称「鈴木裁判」が開始されます。

 教師のデキ婚はアリかなしか――。ものすごく大きなお世話って感じですが、意識の高い生徒たちが喧々囂々(けんけんごうごう)の大議論。

「ナシ」を主張する生徒に対して、「自分の親はデキ婚で自分が生まれた」「うちの親を否定するのか?」という意見が出たり、「結婚して責任を取るべきだ」という生徒に対して、「自分は両親が結婚せず、母親に育てられた。それは悪なのか?」とか、大人顔負けのセンシティブな議論が行われます。

 その後は、結婚しないのにナマでヤるのはアリかナシかというトピックスでも大激論。その間ずっと真ん中に座らされ、なんでゴムをつけなかったのか、責任は取るつもりなのかなどと問い詰められる鈴木先生。まさしく公開処刑と呼ぶにふさわしい状況なのですが、最終的にそこから、独自の鈴木理論で多感な生徒を全員納得させてしまう、鳥肌モノの展開を見せるのです。

 というわけで、ヤバイ教師マンガを紹介しました。読み始めるとメチャクチャ理屈っぽくって文字数が多いのですが、『MMR』のキバヤシを思わせる超ハイテンションな鈴木先生の勢いのせいで、ついつい一気読みしてしまいたくなりますよ!

◆「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/07 19:27
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