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じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

昭和~平成の移り変わり期に僕らをドギマギさせた、白倉由美「セーラー服3部作」

刺激的なのは、タイトルだけ!?

■『セーラー服で一晩中』(「週刊少年チャンピオン」秋田書店/1987年作品)

セーラー服度:★

エッチ度:★

病んでる度:★★★★★

 17歳の女子高生・川原砂緒(かわはら・すなお)は、秋元康氏のような売れっ子業界人に見初められて結婚。しかし、旦那が速攻で死んでしまい、結婚からわずか5日で未亡人となります。

 傷心の砂緒のもとに、死んだ旦那の弟・藤井貴生が北海道から上京して住み込むことに。しかも、砂緖と貴生は同い年の同級生……同い年の義姉弟がひとつ屋根の下でドギマギするストーリーです。要するに『めぞん一刻』にセーラー服をかけて2で割ったような感じでしょうか。

 女子高生の未亡人が、たまたま同い年の、死んだ旦那の弟と恋に落ちる――なかなかありえない設定ですよね。しかし、ありえないと思われる設定でも強引に成立させてしまえるのが、昭和という時代を席巻した「セーラー服」の持つパワーなのです。

 白倉先生の描く超美少女と『セーラー服で一晩中』という刺激的なタイトル。そして掲載誌は「少年チャンピオン」ということで、読者はどうしても……その……エッチな感じの方向性を期待しちゃったものですが、そういったシーンはほぼ皆無。というか、「セーラー服」自体もそれほど出てこないという驚きの内容です。

 とはいえ、未亡人となったヒロインの情緒不安定さはなかなかのもので、死んだ旦那のセーターを抱えてベッドでむせび泣く、突然リスカする、病院の屋上から飛び降りようとする、なんの脈絡もなく小説を書き始めるなどなど。こういう不安定な少女を支えてあげてるうちに、恋に発展……というのも、昭和のラブコメっぽい感じですよね。

 ちなみに『セーラー服で一晩中』というタイトルについては、砂緖がセーラー服姿、貴生がタキシード姿で夜中の砂浜を一晩中走り回るというシーンがあるので、一応ウソではありません。正直、タイトルからもっとエロいやつを想像してましたが、冷静に考えると少年誌なのでこんなものなのかもしれません。

 

■『セーラー服物語』(「週刊少年チャンピオン」/88年作品)

セーラー服度:★★★★

エッチ度:★★★

病んでる度:★

 こちらはセーラー服を着た女子高生による、1話完結型の短編集形式の作品。ほぼ毎回セーラー服の女子高生が出てくるという意味で『セーラー服物語』の看板に偽りなし、といったところでしょうか。清楚系からビッチ系まで、例外なく美少女に描いてしまう白倉先生のすごみを堪能できます。

 前作同様ダイレクトにエッチなシーンが出てくるわけではないのですが、ストーリー上のエッチ度は増しています。少女売春とか処女喪失がキーワードになっている作品が、結構な頻度で出てきます。っていうか、この時代って、そんなにカジュアルに「少女買春」ってキーワードが使われてたんですね。

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