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【DV、虐待、モラハラ加害者の頭の中とは?(4)】

モラハラ夫だった僕がそれに気づくまで――解決に向けた手掛かり(後編)

文=石徹白未亜

※イメージ画像

 農林水産省の元事務次官の熊澤英昭容疑者が44歳の長男を殺害した事件では、息子による家族への暴力が背景にあったと報道されている。悲惨なDV、虐待のニュースは後を絶たない。また、配偶者からのモラハラで苦しんでいる家庭は多いはずだ。しかし、その時「加害者側」は何を考えているのだろうか? モラハラ夫として妻に去られた経験から回復し、現在は日本家族再生センターでカウンセラーとして被害者、加害者双方の支援活動を行っており『DVはなおる 続』(ジャパンマシニスト社・味沢道明著)の共著者でもある中村カズノリ氏に話を聞く。最終回の今回も前回に続き「解決に向けた手掛かり」について伺う。 

*これまでのインタビューはこちらから(1) (2) (3)

 

『DVはなおる 続 被害・加害当事者が語る「傷つけない支援」』(ジャパンマシニスト社)

 

SNSは「おしゃべり」として有効?

――第3回で「自己肯定、自己受容を養い、頭の中の地雷原を減らすためにはおしゃべり、雑談が有効」と伺いました。ですが、そもそもおしゃべりできる相手がいないのだ、という人は多いですよね。そのような場合、SNSは有効でしょうか?

中村カズノリ氏(以下、中村) DV、虐待、モラハラの加害者がSNSをやる場合はメリットとデメリットがありますね。

 まずデメリットからですが、SNSに書く以上反発のリプライが届く可能性は当然あります。加害側が書くならなおさらですよね。僕自身もよくそういったリプライをもらいます。僕自身はそれでいい、と思ったうえで発信していますが、もちろんこれは全ての加害当事者にお勧めするものではありません。

――誹謗中傷などが寄せられ、かえって精神が荒廃してしまうこともあるでしょうね。

中村 はい。ですので無理は禁物です。

 一方でメリットとしては、書くことでガス抜きできるという点ですね。あとは、自分の体験を話せば同じような体験をした人とつながることもできます。

 ポイントとしては「発信ができるウェブサービス」も今はさまざまなものがありますよね。自分に合った、快適な雰囲気のところで始めることが大切です。

――非公開のグループだったり、コメントを受け取らない仕組みにできたりなど「世界中の人と無条件でつながる」という環境にせず、自分に無理のない範囲にすることが大切なんですね。

中村 ただ重ねてですが、対面で行われ、ファシリテーター(進行役)がおり、「相手の意見を批判していけない」などのルールの下で行われるグループカウンセリングとネットは大きく条件が異なります。苦しい人は無理にやらないでほしいです。

――ネットって、どう見ても心が血まみれになってるのに「効いてないぜ?」とポーズを取る強がりな人もよく見ますね。

 

役に立たねば、の意識がおしゃべりを難しくする

――心に効く「おしゃべり」ですが、中村さんはもともとおしゃべり好きだったんですか?

中村 いえ全く。グループカウンセリングがきっかけでおしゃべり好きになりました。 最初はうまく喋らないと、気の利いたことを言わないと、と思っていたんですが、別にうまくしゃべらなくてもいい場所なんだということが分かってからは力が抜けて、だんだん慣れていきましたね。今の妻ともよくおしゃべりをしていますよ。

――目的のない雑談やおしゃべりは、男性ほど難しいかもしれないですね。

中村 これはちょっと偏見が入った見方かもしれませんが、男性には“役に立つことしか喋っちゃいけない”というような感覚が少なからずありますよね。無駄話はよくないと。そうなると口数は少なくなるわけで。

―― あと一部男性にありがちなのが、何ら解決策を求めていない相手に対し、どや顔で求めてない、役に立たない御託を授ける傾向もありますね。

中村 ですので女性の方がおしゃべりが上手な分、ガス抜きが男性より上手に出来るのかなとは思います。

 ただこれもあくまで「傾向」であり、しゃべってもしゃべっても受け入れられている感覚がしなくて、自己肯定感が育たず、それで結局相手の DV なども受け入れてしまう女性もいたりします。さまざまな要因が絡んでいるため「こうだからこう」と言いきれない複雑さがありますね。

――こういったことは比較的字数制限の緩やかなネット記事向けの話題ですね。また、テレビも分かりやすさを求めてシナリオありきで進む傾向はあるので「この傾向はあるけれど、絶対ではない」という複雑さは嫌われる傾向がありますね。

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