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今回もやっぱり”支持政党なし”が多数の参院選 投票前に確認しておきたい各党『年金』マニフェスト

 7月21日に投開票される参議院議員選挙が目前に迫ってきた。しかし、賢明な読者からみれば一目瞭然の通り相変わらず選挙戦は盛り上がっておらず、国民の関心は低いままだ。その要因の一つとして特に今回は、選挙の争点が明確ではなく、政策論議が盛り上がっていないことが挙げられる。

 7月16日にNHKが発表した最新の世論調査では、各党の支持率は以下のようになっている。

・自民党=34.2%
・立憲民主党=6.0%
・国民民主党=1.5%
・公明党=4.3%
・共産=3.2%
・日本維新の会=3.1%
・社民党=0.5%
・特に支持している政党はない=39.1%

 自民党絶対有利の状況は変わらないものの投票日の21日は、天気予報では北海道を除き全国的に雨予報で、それでなくともここのところの国民の政治への関心の低さと相まって「投票率が過去最低を更新する可能性もある」(自民党関係者)との声も聞かれる。

 ただし、我々の生活に関わる関心事として『年金問題』や『消費税率10%引き上げ』があがっているのだが、野党関係者によると「安倍政権はこれらの問題を争点にするつもりはなく、あくまで選挙に勝った上で、“国民の信任を得た”として『憲法改正』に踏み出す構え」なのだという。

■曖昧自民党のマニフェストを追及できない野党の無策

 5月末から6月にかけて“火を噴いた”「老後には2000万円の金融資産が必要」とした金融庁の報告書問題により、年金は選挙の争点の一つとなった。

 当然、各党ともマニフェストに以下のように年金問題を取り上げている。
「自民党」
・低年金者への福祉給付金の支給
・年金受給開始時期の選択肢の拡大

「立憲民主党」
・年金の最低保証機能の強化

「国民民主党」
・低所得の年金生活者への給付加算
・厚生年金加入適用の拡大

「公明党」
・低年金者への給付金とさらなる拡充

「日本共産党」
・年金のマクロ経済スライドの廃止
・高額所得者の年金保険料の見直し

「日本維新の会」
・年金を積み立て方式へ変更
・年金支給年齢の段階的引き上げ

「社会民主党」
・基礎年金のマクロ経済スライド廃止
・年金支給年齢の引き上げ反対

 しかし、年金問題に対しては、現在年金を受給している層と年金受給開始年齢に近い層は強い関心があるものの、「総じて若者層は年金に対する関心は薄い」(自民党関係者)こともあり、投票行動(特に若者層の)に結び付くような争点とはなっていないのが実際のところ。

 確かに日本共産党のように、年金財源として「大企業優遇税制の見直し」や「富裕層への課税強化」などを打ち出しているところもあるが、自民党も野党も総じて年金財源に対する具体案に乏しいことも、年金問題が選挙の争点として盛り上がらない原因の1つでもあろう。

 加えて、野党は総じて「10月1日からの消費税率10%への引き上げ反対」を打ち出してはいるものの、「すでに引き上げは規定事実であり、今さら引き上げ中止というのは“非現実的”であり、選挙の争点にはならない」(野党関係者)との指摘もある。

 一方で、年金と消費税に関しては、野党側の追及の“未熟さ”も目立つ。例えば、6月30日に安倍首相はインターネット番組の党首討論に出席し、「10月から幼児教育・保育を無償化し、高等教育を無償化する。そのためにも安定財源である消費税が必要だ」と述べている。

 しかし、1989年2月、当時の竹下登首相が消費税3%の導入の際には、消費税による税収の利用目的を「高齢化に向けた安定的な財源確保」が論じられていた。そもそも、消費税は年金財源をはじめとした社会保障に使われるために導入されたものだ。

 それがその後の政権下では、消費税の利用目的はさまざまに変更され、ついには「幼児教育・保育を無償化し、高等教育を無償化するため」にまで使われることになった。どう考えても、これらを「高齢化に向けた社会保障制度の拡充」とするのは筋違いだ。というのも本来、「幼児教育・保育の無償化、高等教育の無償化」は、教育制度とともに検討をするべきであり消費税を使った社会保障制度に組み込むのは、無理がある。

 それでも、安倍政権が国民受けする、いわば“ポピュリズム”的な政策として「幼児教育・保育の無償化、高等教育の無償化」を打ち出し、その財源として消費税を利用するのであれば、野党はその点を選挙の争点とし国民の是非を問うといった姿勢が必要だったのではないか。

 結局この参議院選挙は、“憲法改正にしか興味のない”安倍自民党が、国民を選挙行動に呼び込むことができない“無策な野党”に圧倒的な差を付け、揺るぎない1強の地位を見せつけるだけの選挙で終わることになりそうだ。

最終更新:2019/07/19 17:55
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