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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.544

まるでカオナシみたいな音楽モンスターの自伝! 孤独な心が名曲を生み出した『ロケットマン』

文=長野辰次

エルトン・ジョンの自伝映画『ロケットマン』。アルコール&ドラッグ依存、バイセクシャルであることに悩む姿が赤裸々に描かれる。

 人気ロックスター、エルトン・ジョンの半生をドラマ化したミュージカル映画『ロケットマン』(原題『Rocketman』)の公開が、日本では8月23日(金)から始まる。この映画は君の映画だ。親の愛を感じることができずに育った少年は、生まれついての音楽の才能を生かすことで自分の居場所を探すことになる。誰かに愛されたい、みんなに振り向いてほしい。そんな想いで曲を書き、ひとりぼっちになるのが嫌で、ステージ上で歌い続けた。この映画は君の映画だ。

 希代のメロディメーカー、エルトン・ジョンを演じたのは、英国人ならではの、伝統へのこだわりとシニカルさを感じさせたアクション映画『キングスマン』(15)で人気を得たタロン・エガートン。歌唱シーンも吹替えなしで演じて見せている。プロデューサーは『キック・アス』(10)や『キングスマン』のマシュー・ヴォーン。『キングスマン:ゴールデン・サークル』(17)にゲスト出演したエルトン・ジョン自身が製作総指揮。大ヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』(18)を途中降板したブライアン・シンガー監督の後始末を見事にやり遂げたデクスター・フレッチャーが監督、という座組みとなっている。

 道化師のようなステージ衣装を身に纏ったエルトン・ジョン(タロン・エガートン)が、禁酒会に参加するところから本編は始まる。禁酒会に現われたエルトンは、アルコールだけでなく、ドラッグ、セックス、過食……あらゆるものに依存していることをカミングアウトする。何かに依存しなくては、怖くてステージには上がれない。そんな身も心もボロボロのエルトンが、自身の過去を振り返ることで、物語は進んでいく。

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