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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.544

まるでカオナシみたいな音楽モンスターの自伝! 孤独な心が名曲を生み出した『ロケットマン』

文=長野辰次

両親から愛された記憶のないエルトン

エルトン・ジョン(タロン・エガートン)は本名を棄て、音楽の世界に邁進することで自分の居場所をつかむ。

 エルトンがロックミュージシャンとしてブレイクした最大の原動力は、両親から愛された記憶がないという負の要因だった。母親のシーラ(ブライス・ダラス・ハワード)は子育てに無関心、軍人だった父親のスタンリー(スティーヴン・マッキントッシュ)は厳格な性格で、幼いエルトンが「ハグして」と頼んでも「男のくせに、そんな甘ったれたことを口にするな」と叱った。唯一の救いは、祖母アイヴィ(ジェマ・ジョーンズ)がエルトンの音楽的才能に気づいたことだった。エルトンは一度聴いたメロディーを正確にピアノで再現できたことから、祖母は孫息子がロンドンにある王立音楽院に進めるよう後押しする。どうやらエルトンは、おばあちゃんっ子だったらしい。

 音楽の世界で生きていくことを決心したエルトンは、レジナルド・ドワイトという本名を捨て、憧れていたビートルズのジョン・レノンにちなんで、エルトン・ジョンと名乗るようになる。才能豊かな作詞家バーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)との幸運な邂逅があり、「ユアソング 僕の歌は君の歌」「クロコダイル・ロック」「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」などのヒット曲を次々と飛ばすことになる。

 両親から愛された記憶のないエルトンは、心の孤独さを穴埋めするかのように曲を書き、歌い続けた。ルックスに自信がないことから、ステージ衣装や演出はどんどん派手になっていく。大観衆が集まり、ライブが盛り上がれば盛り上がるほど、ステージ上にいるエルトンは自分が分からなくなってしまう。自分が愛されているのは才能があるからなのかお金を稼ぐからなのか、自分は同性愛者なのかそうではないのか。常にステージ上で喝采を浴びながら、暗い宇宙空間にひとりぼっちで漂う「ロケットマン」のような孤独さを感じ続けていた。

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