本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

滝沢秀明の巻き返しでSnowManに光明? ジャニーズ事務所内の権力抗争が新局面へ

 さる7月20日に放送されたテレビ朝日系バラエティ番組『調べるJ』が好評のようだ。 

 SixTONES、SnowMan、Travis Japan、HiHi Jets、美 少年と、ジャニーズJr.の5グループが出演し、視聴者からはレギュラー化を望む声もあがっているが、ジャニーズ事務所の創設者であるジャニー喜多川さんの死後、タッキーこと滝沢秀明がプロデュースするジャニーズJr.にテレビ局からのオファーが相次ぎ、ジャニーズ事務所内の勢力図に変化が見え始めているという。 

 「ジャニー喜多川さんの死後、各局の編成マンがタッキーに接触。ジャニーズJr.の番組企画のプレゼンをして、”先物買い”を進めています」(番組制作会社プロデューサー)

 滝沢といえば、昨年末に芸能界を電撃引退した後、今年1月15日に設立されたジャニーズ事務所の子会社『ジャニーズアイランド』の代表取締役社長に就任したが、その主な業務は、ジャニーズJr.のプロデュースやイベントの企画立案、新人発掘。とりわけジャニーズJr.の売り出しに熱心で、自らテレビ局に足を運んでは、マネジャー兼プロデュース業に専念している。 

「なかでも、大成功を収めた『滝沢歌舞伎ZERO』のメインキャストに抜擢したSnowManを熱心に売り込んでいましたが、これまで、なかなか番組が決まりませんでした」(前同)

 各テレビ局には、ジャニーズの人気アイドルをキープするために“ジャニ担”と呼ばれるジャニーズ事務所専属の編成マンや番組プロデューサーが存在する。彼らは、高視聴率を獲得すべく、ジャニーズのなかでも人気アイドルを起用したがるが、それには本体のジャニーズ事務所を仕切っている藤島ジュリー景子副社長の意向を優先しなければならず、滝沢が押すジャニーズJr.の仕事はなかなか決まらなかった。

「業を煮やしたタッキーが、事務所の幹部を集めて『痛みを伴わない改革はありえない』と熱弁を奮い、今後は現在活躍中のジャニーズタレントも競合相手になると言明しましたが、幹部連中もテレビ局の”ジャニ担”も聞き流していました」(前同) 

 ところが、ジャニーさんが7月9日にくも膜下出血で他界した直後の11日、公正取引委員会が、独禁法違反につながる恐れのある行為が認められたとしてジャニーズ事務所を注意したことで、業界の流れが変わりつつあるという。

「ジャニーズ側は圧力を否定していますが、今後もジャニーズは公取委からマークされ続けるでしょう。今回、取りざたされたのは、SMAPの元メンバーのテレビ出演をめぐる圧力疑惑で、これを機に元メンバーを起用する番組も出てきそうですが、正直、各局にまだためらいがあるのも事実。その点、タッキーが推すジャニタレは、SMAPの圧力問題とは無関係で、しかもタッキーはジャニーさんから“後継者“のお墨付きを得ている。次世代アイドル戦略を模索する意味でも、彼がプッシュするジャニーズJr.のほうが将来性もあります」(前同)

 かくしてテレビ局各局は、滝沢に接触して番組企画をプレゼンしているといい、その中でも、前述の『調べるJ』を放送したテレ朝は、ジャニーズJr.のレギュラー番組を確約したという情報もある。

 他方、ジュリー景子副社長だが、ジャニーさんの死後、マスコミに対して滝沢と“一枚岩“であることを強調。噂されている確執を否定した手前、テレビ局が滝沢と接触しても静観するしかないという。

 女帝・メリー喜多川から全権委任された一人娘のジュリー景子副社長の独裁が続くかと思われたが、ジャニーさんの死によって、改革を謳う滝沢へと流れが変わりそうな今日このごろ。ジャニーズ事務所が、前時代的な体質から脱却することを期待したい。

最終更新:2021/12/03 01:33
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