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西成を舞台にした『解放区』は何が問題だった? 阪本順治×太田信吾監督が邦画界の内情を語る

あまりにもハングリーすぎる撮影現場

暴力ディレクターに扮した岸建太朗は、撮影監督も兼任。主演作『種をまく人』(11月30日公開)ではまったくの別キャラを演じている。

――『解放区』の西成ロケは、スタッフ&キャストが無料の炊き出しに並びながらの撮影だったそうですね。

太田 炊き出しに並んだり、コンビニで賞味期限切れの弁当が早朝安く売られているのを食べたりしました。おにぎりが10個で100円だったりするんです(笑)。西成の喫茶店「アース」のマスターと仲良くなり、ロケ期間中は店の二階三階で寝泊まりさせてもらえたのも、助かりました。多分、ホテルに泊まっていたら、別の映画になっていたと思います。キャストとスタッフが西成で合宿みたいな生活を送ったことで撮れた映画ですね。実は最初はオーディションもやって、プロの俳優をキャスティングしようとしていたんですが、西成に撮影の2週間前から前乗りすることを伝えると断られたんです。それで監督の僕が主人公の須山を演じ、撮影監督の岸建太朗さんが主人公と衝突するディレクター役も演じるなど、スタッフが出演も兼ね、あとは映画の内容に賛同してくれる少数のキャストだけで撮影することにしました。日雇いバイトのシーンは、男性スタッフが無償で働くことを交換条件にして、実際の解体現場で撮影させてもらいました。僕が解体現場でクギを踏んで怪我をしたのは予想外のアクシデントでしたけど、改めて健康や怪我のリスクを負いながら働いている日雇い労働者の方々の暮らしの危うさが痛いほど分かりました。みんなで一緒に汗を流したことで、いろんな驚きや発見が映画に宿っていったようと思います。日雇いの仕事を斡旋したオッチャン(朝倉太郎)が「紹介料」と須山に金をせびる台詞は、阪本監督の『王手』で子どもが「情報料」とヤクザに手を出すシーンのオマージュです(笑)。

――阪本監督は『どついたるねん』の1カ月に及ぶ撮影期間中、食事をしなかったエピソードが有名です。物づくりにはハングリーさも必要なんでしょうか?

阪本 『どついたるねん』のときは、赤井英和の減量に付き合ってだった。その後も映画の撮影中に食事をしなくなったのは、神経を研ぎ澄ますとか、そんなかっこいい理由ではなく、単に胃が受け付けなくなってしまったから。今でも撮影期間中はほとんど食事はしない。お昼にカロリーメイトを1箱食べ、夜は柿ピーだけ(笑)。

太田 さすがに朝ご飯は食べますよね?

阪本 いや、朝食も摂らない。スタッフは僕が食事をしないことを知っているから、僕の分の弁当も用意しない。僕の前でうまそうにスタッフは弁当を食べるわけです。『エルネスト もう一人のゲバラ』(17年)の撮影でキューバに1カ月間行ったときは、15キロも痩せてしまった。

太田 すごい……。

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