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"中国製"がオシャレになる日

世界が注目する上海ファッションウィークとは? ドルガバ炎上後もブランド進出!中国ファッション界の急成長とリスク

文=安楽由紀子、編集部

地方都市のバイヤーが日本のブランドに注目

ルイ・ヴィトン、エルメス、カルティエなど名だたるラグジュアリーブランドが出店する杭州の百貨店「杭州大厦购物城」。

 当然ながら、日本のアパレル企業も中国市場を無視しているわけではない。だが、ここ数年、中国に進出した企業の多くは競争の激化で苦戦しているようだ。ピーク時に300店を展開し、上海の繁華街である南京東路にファッションビルを開業していたイトキンは、16年に完全撤退。13年のピーク時に589店あったハニーズホールディングスも、18年に撤退した。好調なのは、進出は02年と後発ながら、20年度には中国全土に1000店体制を構築するというユニクロくらいである。

 こうした状況も確かにあるが、ファッション感度の高い一部の中国のバイヤーから、日本の先端をいくインディーズブランドに注目が集まっている。このきっかけとなったのが、ファッションショーや見本市、ショールームが開催され、中国全土から毎回約5万人のファッション業界関係者が訪れる「上海ファッションウィーク」(03年に初開催)だ。
「3~4年前は数えるほどしか出展していなかった日本のブランドですが、今年3月末~4月頭に開催された『上海ファッションウィーク2019AW』には120以上が出展したと報じられています。それだけ日本のブランドが中国で評価されているということもありますし、日本の市場がファストファッション中心で、プロダクトアウト(消費者のニーズよりもデザイナーの理念や創造性を優先する方法)のブランドにとってツラい状況になっているため、上海ファッションウィークへの期待が高まっているということでもある。すぐに大きなビジネスにつながらなくても、毎回新しい中国各地のバイヤーと出会えるので、2回、3回と続けて出展するブランドが多いですね」

 こう語るのは、上海を拠点に日本のブランドの中国進出を支援するKMT inc.代表の兒玉キミト氏。特に地方都市の需要が伸びているという。

「一級都市はブランドやセレクトショップが増えすぎて飽和状態ですし、東京やニューヨークへの直行便も多く、バイヤーは東京コレクションやニューヨークファッションウィークに直接行ってしまう。そうした環境ではない重慶、成都、西安、烏魯木斉などのバイヤーのエネルギーを強く感じます。情報や物量が多い一級都市とはファッションに対するリテラシーも違うので、それほど知名度が高くないインディペンデントブランドでも、バイヤーが気に入りさえすれば受け入れられる可能性が高い。しかも、中国は人口が多いので、一部の人に受け入れられるだけでも十分商売になる点が魅力となっています」(兒玉氏)

 また、日本からの出展ブランドが急激に増加した背景には、通信速度の向上とインターネット利用者の増加が関係しているのではないかと兒玉氏は分析する。中国で4G回線のサービスが始まったのが、13年末から14年にかけて。15年に総人口に対するネット利用者の割合が50%を超え、海外のファッションメディアにアクセスするようになるなど、地方都市に至るまで若者のファッションセンスが大きく向上した。ECサイトも日本以上に浸透しており、ネットショッピング大手「天猫(Tモール)」「京東商城(ジンドン)」のほか、「YOHO!(ヨーホー)」というサイトがストリート系では圧倒的人気を誇る。もともとファッション誌からスタートした「YOHO!」は、メディア、小売、イベントの3つを事業の柱として業績を伸ばしている。

「ただ、中国ファッション市場で気をつけるべき点は、やはり偽物。今年6月、上海に旗艦店を出していたフェイクブランドのシュプリーム イタリアが、本家シュプリームの働きかけにより中国での登録商標を抹消されたばかり。こうした点は日本よりトラブルが多いですね。また、バイヤー側が日本と比べると成熟しておらず、経営スキルが高くないケースが多々ある。そのあたりは取引先となったときに注意しておかないと、経営が突然傾いて損失を被る可能性もあります」(兒玉氏)

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