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欧米では当たり前、お隣韓国でも実施する「性犯罪者への薬物投与」で再犯防止はどうなるか?

女性性犯罪者に対する薬物治療の研究は?

 もうひとつの問題として、女性性犯罪者の問題もある。これまでの薬物治療は男性の性犯罪者を主としているが、数は少ないものの女性にも性犯罪者は存在する。実は、女性性犯罪者に対する薬物治療の研究は少なく、薬物治療そのものが困難な状況にある。

 また、仮に薬物治療を行ったとしても、薬物の有効性や再犯防止への効果があるのかはまだまだ実証されていない。

 確かに18年の犯罪白書によると、17年中の再犯率は強制性交等罪で4.8%、強制わいせつ罪で8.2%となっている。しかし、これは刑法犯全体の再犯率15.1%と比較すると少ないことも、また、確かだ。

 現在、性犯罪者などは刑務所で認知行動療法に基づく再犯防止指導の受講が義務付けられ、仮出所者は保護観察所に通いながら指導を受けなければならない。だが、満期出所者は指導を受ける必要はなく、また、指導を受ける場合は全額自己負担となっている。例えば、薬物治療を受ける場合も同様だ。しかし今回の法務省の検討では、満期出所者が治療や認知行動療法を受ける場合には、国費により賄われることになる。

 再犯の防止は重要だ。これは性犯罪だけではなく、刑法犯全体にも言えることだ。しかしながら、薬物を使っての再犯防止には、まだまだ研究・実証する必要があり、また、人権に対する配慮なども必要となってきそうだ。

最終更新:2019/11/06 12:12
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