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完食後にクレーム!? 中国フードデリバリー業界を悩ます「新型無銭飲食」とは?

男の裁判の様子(南方都市報)

 市場規模は日本円で9兆円ともいわれる中国のフードデリバリー業界だが、その成長に水を差しかねない行為が横行している。

「南方都市報」(11月10日付)によると、浙江省楽清市にある地方裁判所で「騒動挑発罪」に問われた22歳の男の裁判が行われた。男は2018年10月から約1カ月の間、スマートフォンのアプリを使って飲食店に対し、繰り返し料理を注文し「味がすっぱくておかしい」「髪の毛が混入している」など18回にわたってウソのクレームをつけ、完食したにもかかわわらず、返金を強要していたというのだ。そのうち13回(約4,000円分)は、実際に返金されていたという。この時、男は飲食店に対し「返金に応じなければ、ネット上の評価サイトに悪評を書き込む」などと脅迫していたことも明らかになった。

 検察によると、男は飲食店に怪しまれないよう、2つの携帯番号を巧みに使い分けていたという。裁判で男は、「金がなかったため、タダでご飯を食べられると今回の犯行を思いついた」と犯行の動機を明らかにしたが、裁判官は男が過去にも悪質な交通違反を起こしていたことや、詐欺事件に関わっていたことを挙げ、犯行時に使用したスマホを没収の上、懲役9カ月の判決を言い渡した。 

 今年10月には、江蘇省南京市の飲食店が、今回の事件と同様の手口で、男性客に約4万8,000円を脅し取られる事件が発生している。店主によると、男は「異物混入があったことを注文サイトの評価欄に書き込む」などと店主を脅し、金を要求してきたという。この店が契約している注文サイトでは、3回以上悪い評価がついた場合、サイト上から店の情報が削除されてしまう規約だったため、これを恐れた店主は、男に金を渡してしまったのだ。なお、この男はすでに現地警察によって逮捕されている。

 評価至上主義となったフードデリバリー業界を逆手に取り、金をだまし取る犯罪が相次ぐ中国だが、Uber Eatsが盛り上がりを見せる日本で同様の事件が横行する日も遠くはないかもしれない。

(文=青山大樹)

最終更新:2019/11/20 20:00
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