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じゃまおくんの「WEB漫クエスト」

一風変わった毒親マンガ『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』

(c)いしいさや/講談社

「毒親」という言葉をご存じですか? 過干渉や暴言・暴力などで、子どもを思い通りに支配したり、逆に子どもの世話を一切せず放置したりする親のことを指す言葉です。マンガの世界でも近年「毒親エッセイマンガ」が増えてきました。『母がしんどい』(田房永子/KADOKAWA、中経出版)、『酔うと化け物になる父がつらい』(菊池真理子/秋田書店)、『無敵の毒親~私は母のサンドバッグ~』(たもん、はるな/WコミックスZR)、『お母さん、あなたを殺してもいいですか?』(作画 秋本尚美、シナリオ 新田哲嗣/ジャンプルーキー)などなど、衝撃的なタイトルが並びますが、読んでみるとタイトル以上に衝撃的な内容だったりするので油断なりません。

 化け物だったり、サンドバッグにされたりと毒親のタイプにもいろいろあるようですが、今回ご紹介するのは、その中でもとりわけ特殊なタイプの毒親マンガ『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(ヤングマガジンコミックス)です。もうこの遠回しなマンガタイトルを聞いただけでも、なんのことを言ってるのかピンとくる人がいるかもしれません。

 本作は、いしいさやさんが某宗教の二世信者として母親や周りの信者から四六時中監視され、厳しい戒律のために友達や恋人も作れず、娯楽も与えられず……というつらすぎる経験をつづったものです。当初はTwitterで公開されていたもので、3万5,000リツイートされるほど話題になった後、「月刊ヤングマガジン the 3rd」(講談社)で連載されることになったのです。

 個人でどんな神様を信じるのも自由ですが、子どもが巻き込まれる場合は時として不幸が起こります。しかも、普通に学校生活を送れないレベルの厳しいルールがあるのですから、周りとトラブルになることは必至です。

かわいいお洋服はダサビッチ

(c)いしいさや/講談社

 同級生の女の子の家にお呼ばれした主人公のさやちゃん。「ちゃお」は読んだことない、「コーラ」も飲んだことがない……カルチャーショックだらけなわけですが、いつも地味な格好をしているさやちゃんを心配して、かわいい服をくれるお友達。めちゃくちゃ親切ですね。こういう友達は大事にしておきたい。

 うれしくて思わず家でフィッティングするさやちゃん。しかし、それを見たお母さんのリアクションは……

(c)いしいさや/講談社

「お前はダサビッチだ!」と言わんばかりのさげすんだ目。

「…うわ」
「きっもちわる…」
「そんなサタンの服早く脱ぎなさい」

 お母さん、かなりバッサリいきます。なにしろ「小悪魔」じゃなくて「サタン」の服ですから、ガチのディスりです。結局、洋服は速攻でゴミ箱行き。お母さんの前では、おしゃれな服を着る、同級生と遊びに行く、誕生日を祝う、もちろん異性とデートをしたり彼氏を作ったりすることなども全部NGなのです。なかなかしんどい青春期ですね。

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