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K-POP番長と振り返る2019年のK-POP

【K-POPベスト10-2019】キーワードは「ガールクラッシュ」トップはやっぱりBLACKPINKか?

2019年のK-POPシーンをリードした“ガールクラッシュ”

6位 ITZY/違う違う

矢吹:さっきと一転して派手な楽曲が来ましたね。TWICEの妹分としてデビューしたガールズグループです。

まつもと:2019年のK-POPシーンをリードした“ガールクラッシュ(女性が憧れる女性)”の代表格ですよね。“私は私、他と比べないで”というメッセージを同性の女の子に向けて延々と歌っている。このデビュー曲に続いて出したシングルも言っていることは全く同じです。日本デビューはまだなんですが、この間日本の10代向けの女性誌で特集が組まれていたので、間も無く進出するんじゃないでしょうか。最近のK-POPは外国の作曲家に依頼することが多いんですけど、この曲は国内の中堅どころの作曲家チームが制作しています。こうやって後続グループがどんどん出ているので、日本でのK-POP人気というのは今後も衰えないと思いますね。

5位 キム・スヨン/空にしようと思います

まつもと:7位で選出したアクトゥンと一緒で、これもアコースティック系です。インディーズの大手事務所に移籍後の第一弾で、キュートなルックスとは裏腹の渋いサウンドメイクと深みのある落ち着いたボーカルが魅力です。韓国のジョニ・ミッチェルと言ってもいいかもしれません。昭和のフォークにありがちなジャカジャカとアコギでコードを鳴らすタイプが僕は苦手で、カッティングやピッキングに工夫のあるミュージシャンが好きなんです。アコギでもエレキと同じようなアプローチで弾くタイプといったらいいんでしょうか、彼女なんかはまさにそうですよね。

矢吹:ジョニ・ミッチェルって、実は欧米ではギタリストとしても非常に評価が高いアーティストですからね。

まつもと:ジョニ・ミッチェルはジャズの和音とかを取り入れて、既定路線に留まらずにクリエイトしようという心意気が凄くあった人で、だから一時代を築いたし。そういうパワーっていうのは、こういう静かな音でも感じ取れるんですよね。

4位 Red Velvet/Zimzalabim

矢吹:今年に限らず、ここ数年のアイコンでもありますね。

まつもと:SMエンターテインメントという、韓国で一番大きな事務所の女性グループです。売れてるのに、現状に甘んじないでどんどん攻めた楽曲を出すんですよね。これは彼女達の楽曲の中では比較的売れなかった方なんですけど、海外の作曲家チームを韓国に呼んで合宿して作らせて、良かった部分をつなぎ合わせる。それがSMエンターテインメントの最近のやり方です。そのせいで色んなジャンルの音、ダブラまでこの曲には入っていて、結果どの国の音楽なのかわからないような音になっています。

矢吹:この楽曲を、トップ張ってるアイドルグループが出せる、というのが凄いですね。

まつもと:彼女たちは制作に金と時間をかける上に、サウンドカラーを次々と変えてくるんですよ。歌詞やダンスに強いメッセージがある方ではないんですけど、“ガールクラッシュ”の要素は高い。だから日本で男の子が思ったよりも騒いでいないのは、“なるほどな”という感じですね。男に媚びていない。

矢吹:そこは最近のK-POPの一番の変化ですよね。

3位 So! YoON!/A/DC=(エースラッシュディーシーイコール)

まつもと:セソニョンというトリオのバンドがあって、そこのリーダーでギタリストの女の子の初ソロアルバムからの1曲です。セソニョンはブルージーなロックをやっていましたが、このアルバムはギタリストとしての役割を離れて実験音楽のような、バンドで出来ない音を鳴らしています。一曲一曲全然違うカラーで、全編を通して“何か新しいことをやろう”という意気込みを感じさせるのがいいですね。

矢吹:毎年まつもとさんのランキングを見ていますけど、韓国は割とこういう実験音楽をやっている人も多いんですよね。本国ではどの程度話題になったのでしょか?

まつもと:それがまったく反応ゼロ(笑)。彼女はこのアルバムを出してすぐにバンド活動を始めてしまったので、ソロ作は本当に「出しただけ」になってしまいました。フレンチポップやエレクトロニカなどの要素を取り入れた新しいタイプのミクスチャーロックだっただけに残念です。とにかく20歳そこそこでこの完成度の高さは驚きますね。

2位 Crush/NAPPA

まつもと:韓国R&Bの最高峰です。約6年間在籍していた所属事務所を離れ、そのわずか1カ月後にPSYが立ち上げたP NATIONという事務所に移籍。それから発表された一曲です。

矢吹:PSYって今は事務所の代表もやっているんですね。移籍の理由は何か発表されていますか?

まつもと:多分、自由に音楽制作をやらせてくれるからだと思います。マーヴィン・ゲイが「セクシュアル・ヒーリング」でリズムマシンやシンセを使ってソウルの新しい潮流を作ったように、Crushも同様のアプローチで韓国R&Bの新しい流れを作りましたね。力の抜けた歌い方やMVも、トラックとよく合っている。こういう玄人好みの楽曲が、ちゃんとヒットチャートのトップ10に入っていて、彼自身もメジャーの立ち位置にいるんですよね。R&Bがどういう風に韓国に溶け込んでいるか、そこが表れていて面白いと思います。

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