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「中国版伊藤詩織」がトレンド入り!? 18歳少女が大家からの強姦未遂を告発

文=廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

実名での被害を訴えた張さん(本人の微博より)

 ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者・山口敬之氏から性的暴行を受けたとして損害賠償を求めた民事訴訟は世界的にも大きな注目を集めたが、中国でも性暴力の被害を実名で訴える女性が現れ、ネット上では「中国版伊藤詩織」というキーワードがトレンド入りするなど、注目を集めている。

 中国ビン南網(1月10日付)によると、事の発端は2018年5月18日にさかのぼる。この日、中国版Twitter「微博」に、性被害を訴える次のような文章が投稿された。

「私の名前は張蔚婷です。2000年生まれです。インターンシップに参加するため、杭州市に引っ越してきましたが、大家から性的被害を受けました」

 当時18歳だった張さんは、杭州に引っ越してから1週間後、住居の大家である当時25歳の男に無理やり性行為を迫られた。張さんは激しく抵抗したため、強姦未遂となったが、悪夢はそれだけで終わらなかった。事件を知った男の両親は、張さんが警察に被害を訴えることを恐れ、彼女に脅迫めいた暴言を浴びせた上、顔面を殴るなどの犯罪行為を重ねたのである。

 男の母親は、「処女ではないあなたは、男とたくさん遊んできたに違いない。あなたのほうから息子を誘惑してきたことはわかっている!」などと言い放ち、さらに父親は張さんの実家にまで行き、家族を脅していたこともわかっている。

男は逮捕前、母親と共にテレビ番組に出演し、無罪を訴えていた(ETtoday)

 精神的に追い詰められた張さんだったが、自身が受けた被害を社会に訴えるため、実名での被害の告白に至ったのである。張さんの投稿がメディアなどで大きく報じられたこともあり、警察は事件として捜査を開始し、 18年9月、大家の男を強姦未遂で、男の両親を脅迫罪や暴行罪の容疑で逮捕。昨年9月、男には懲役2年の実刑判決が下された。

 しかし、張さんは事件から約1年がたった昨年12月末、自身の微博を更新し、現在も事件の恐怖から立ち直ることができず、自殺の衝動に駆られることも多いという悩みを明かしたのだ。

 この投稿が話題となり、新年早々、「中国版伊藤詩織」というキーワードが微博でトレンド入り。ちなみに、伊藤詩織事件については中国でも関心が高く、伊藤氏の著書『Black Box』の中国語版も出版されているほどだ。

 ただ、「セックスして、後から男に金でも要求するつもりだったんじゃないのか?」など、反響の中には伊藤さん同様、アンチからのセカンドレイプともいえるバッシングも少なくない。中国でも女性が性被害を実名で訴えることは、まだまだ困難な状況のようだ。

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

明治大学卒業後、中国の重慶大学へ留学。メディア論を学び、帰国後は中国の社会問題についてウェブメディアを中心に執筆している。

最終更新:2020/01/19 14:00
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