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中国共産党が猛抗議した!? サイバー戦争を描いた“リアル”すぎるSF小説の中身

SNSを利用した操作の手口、トランプ当選を導いた英企業ドキュメンタリー

『グレート・ハック:SNS史上最悪のスキャンダル』より。

 この7月にNetflixで配信され、話題を呼んでいるのが『グレート・ハック:SNS史上最悪のスキャンダル』というドキュメンタリー映画。16年のアメリカの大統領選挙にロシアが関与していた可能性については前記事でも触れたが、トランプを勝利に導いた要因は、それだけではなかった。本作で描かれるのは、その選挙戦のネット戦略において重要な役割を果たしたとされるイギリスのデータ分析会社、ケンブリッジ・アナリティカ(以下、CA)の実態だ。

 内部告発者2名の証言をもとに描かれる、CA社の手口。それは、フェイスブックから不正入手した個人情報を分析し、浮動層と呼ばれる人々をターゲティング、彼らの感情に激しく訴えかけるような過激なフェイクニュースをそのタイムラインに送り込むことだった。ちなみにCA社は、同年にイギリスで行われたEU離脱の是非を問う国民投票にも、同様の手口によって深く関与し、離脱に導いた疑いがあるという。さらにはロシアとの接点も……。

 人々の緩い“つながり”を促すと思われていたSNSが、むしろ取り返しのつかないほど深い“分断”を生み出すという皮肉な現実。個人情報を抜き取ったり、他国の情報インフラを混乱に陥れたりするだけでなく、その国に住む人々の“考え方”そのものを操作し、内部から“分断”を促していくことが可能であるという、現代社会の姿を描き出した必見のドキュメンタリー映画である。(月刊サイゾー9月号『新・戦争論』より)

最終更新:2020/01/20 15:35
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