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『5Gでビジネスは<どう>変わるのか』出版記念インタビュー

ゲームや動画は序の口でしかない! テックのプロが解説する『5G』の最新動向

 オリンピックイヤーとなる2020年を契機に、話題の通信規格「5G」(第5世代移動通信システム)が日本でも本格的に商用化されようとしている。5Gは「超大容量」「超高速通信」「低遅延」、また時速約500キロの移動状況においても途切れることなく通信を担保できる「モビリティ」(移動性)などの特徴を持ち合わせた通信規格だ。

 5Gが普及すれば、YouTubeなど生活に不可欠な動画サービスを快適に楽しむことができるようになることはもちろん、ビジネスや社会に数多くの変化をもたらすとされている。では、私たちの生活は具体的にどのように変化していくのか。その疑問の答えを探すべく『5Gでビジネスはどう変わるのか』(日経BP社)の著者であり、日本の通信を知り尽くした専門家のクロサカ・タツヤ氏に、”来るべき5G社会の姿”について聞いた。

 クロサカ氏は、「5G時代にはいくつもの変化が訪れる」と前置きしつつ、最も大きな変化は「フルコネクテッドな社会」、そして「予測前提の社会」の到来だと指摘する。一体どういうことだろうか?

「まず、フルコネクテッドという言葉は『5Gでビジネスはどう変わるのか』を執筆する際に新しく作った言葉です。それが意味するところは、リアルとサイバースペースが常に繋がった状況や社会が生まれるということ。インターネット技術の発展によりすでに、サイバースペースの存在は、我々の生活になくてはならない領域として確立されてきました。ただし、5G以前の通信環境ではスマホやPCなどの“窓”(リアルとサイバースペースを繋ぐ機器や端末)の電源をオフにすれば遮断することができた。5G以降の時代にはそのオン・オフという作業が消滅し、リアルとサイバースペースが常に繋がった状態になるだろうというのが私の予測のひとつです」

 これまでの通信環境では、人は利便性を享受するため、自分のデータをネット上に自らアップロードし続けてきた。一方、優れたITサービスはその情報を集め解析し、各ユーザーに適したサービスを提供することに尽力している。アマゾンのレコメンドやグーグルのカスタマイズされた検索サービスなどがそのほんの一例だ。

 しかし5Gが普及すれば、PCやスマホだけでなく、家電や車さらには都市など公共空間などあらゆるモノがネット接続される社会がやってくる。結果、人間が意識しなくても、その行動や生活データが自動的にサイバースペースに吸い上げられるフルコネクテッド、すなわち“繋がり続ける社会”が出現するということだ。クロサカ氏は「映画『マトリックス』のような世の中が現実になっていくのでは?」とその状況を端的に説明する。

「『マトリックス』というとおっかないふうの社会を想像をされるかたもいらっしゃると思うのですが、決してそういう訳ではありません。言葉を変えると、常に個人の情報やデータがサイバースペース上に蓄えられることで、『エクスペリエンス』の正解例や理想像が構築されることになります。そして、5G以降の環境ではそのサイバースペース上のエクスペリエンスを、リアルで再現するサービスが主流となってくるでしょう。つまり、個々人がどういう人間か、どういうモノに喜びや悲しみを感じるか、何がサービスとして適切かなどをサイバースペース上で判断し、それをリアルで提供することになる。『予測前提社会』が立ちあがるのです」

 クロサカ氏は、ひとつの例を取って説明してくれた。

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