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「首里城募金詐欺」にご用心! 架空の口座を複数開設、Twitterで拡散「1口座あたり30~40万円のアガリ」

首里城公園公式サイトより

 振り込め詐欺に仮想通貨詐欺、地面師詐欺……。詐欺師たちは世相の流れを読み、その時々で手口を変幻自在に変える。まさに彼らの「シノギのネタ」は日々のニュースの中に転がっているともいえるが、昨秋に世間を騒がせた惨事に早くも目をつけたようだ。

「最近、被害の報告が相次いでいるのが『首里城募金詐欺』です。『焼失した首里城の再建のため』と称してカネをだまし取る手口が広がっているそうです」(全国紙社会部記者)

 昨年10月31日未明、那覇市首里当蔵町の首里城で火災が発生。火の手は城郭内にある正殿など木造の建造物に燃え広がり、計7棟が焼失した。「沖縄の象徴」ともいわれた首里城については、沖縄県や那覇市が火災直後から県内外で寄付を募っており、集まった募金の総額は昨年末段階ですでに20億円を突破したとも伝えられている。

 その裏で、「首里城再建」を売り文句にした詐欺が横行しているというのだ。

「悪知恵が働く連中の中には、火災をカネにしようという者もいる。典型的な詐欺の手口としては、銀行に『沖縄県首里城復帰』といった名前で普通口座を開設。そこを募金の受付口座としてTwitterなどで拡散させ、入金させるというパターン。足がつかないよう、開設後、1週間ぐらい募金を集めたら、また別の銀行で口座を作る。それを繰り返すというのが連中の手口だ。実際に詐欺に加担した者は、『1口座あたり30~40万円のアガリがある』らしい」(事情を知る関係者)

 県民の喪失感につけ込んだ手口は不届き千万だが、県が募っている正真正銘の募金にも問題点が山積している。

「役所で集める募金は使途を明示せず、ただ『復興』『再建』を名目にしている。そこが後々問題の火ダネになる恐れがある。集まった資金をいざ使う段になった時、募金をした市民から『そんな使途のために募金したのではない』と反対の声が上がれば、たちまち議論は振り出しに戻り、集めた募金が宙に浮いてしまう恐れがある」(地元紙記者)

 このままでは、募金に対する信頼が失墜し、集まるはずの支援も集まらなくなってしまう可能性がありそうだ。

伊芸有象(ルポライター)

1980年生まれ。在京新聞社や週刊誌を十数年渡り歩き、フリーのルポライターとして活動。犯罪や貧困問題などを精力的に取材している。

いげいゆうぞう

最終更新:2020/02/03 18:00
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