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週刊誌スクープ大賞

安倍政権は狂ってる? 日本の不幸はワイドショーのコメンテーターが権力にはっきりものを言わないことだ!

 日本アカデミー賞が決まった。賞を総取りしたのは東京新聞の望月衣塑子をモデルにした『新聞記者』だった。

 私は、映画としての完成度はさほど高くはないと思うが、現実の政権のスキャンダル、それにぶら下がる記者のレイプ事件など、かなり生々しいものを取り上げ、参議院選の直前に公開するという、なかなか度胸のあるプロデューサーであり監督である。

 韓国の『パラサイト』がアカデミー賞をとったことも影響しているのではないか。

 日本アカデミー賞というと、ほんわかした映画に与えることが多かったが、時代は、そんなものを必要としていない。時代と切り結ぶ、切れば血の出るような映画が、これからは求められると思う。

 さて、日本中がコロナ一色である。テレ朝の『モーニングショー』では、玉川コメンテーターが、これでも「まだ日本人は危機感が足りない」としたり顔でいっていたが、多くの日本人がマスクやトイレットペーパーを狂ったように買い漁っているのに、これ以上何をしろというのか。

 同番組の金曜日で、長年コメンテーターをやっている元騎手の女房・吉永みち子は、今朝の(3月5日)のスポニチの連載コラムで、「日本の不幸は、安全や安心を担保してくれる原子力規制委員会や政府を信頼できないこと」だと書いている。だが私は、この国の不幸は、ワイドショーのコメンテーターがどいつもこいつも、権力にはっきりものをいわないことだと思う。

 発作的に学校閉鎖をいい出した「安倍のアホ」に、日刊スポーツは「安倍政権ふざけるな!!」と書き、非公式の東北6年のウイルス検査実績を根拠に、26日の夜、地元仙台でパーティーを開催した秋葉賢也首相補佐官に、「クソ側近」と東スポは吠えた。

 朝日新聞や東京新聞も一面で、「安倍政権は狂っている」と書いて見ろ。流れはあっという間に変わる。

 安倍が、なぜ学校を休校したのかについて会見を開いた。役人の書いた文書を読み上げ、幹事社の質問にだけ答えて、わずか25分で退席してしまった。

 会見に出ていた江川紹子が、「質問がある」と大声を上げているのに無視したと、ツイッターか何かで書いていたが、私には、彼女がなぜ怒るのかが理解できない。

 大昔から、記者会見とはそういうものだ。会見場にいる記者たちは、大昔からただの木偶の坊だったのだ。雑誌やフリーの人間がいくら批判しようと、何一つ変わらないのだから、今更驚くことなどない。

 やはり望月衣塑子を追ったドキュメンタリー『i新聞記者』の中で、ジャーナリストの神保哲生が総理会見について「結局何も変わってない」と呟く。望月一人の力では何一つ変えられないのである。

 いっそ、逃げる安倍に、脱いだ靴でも投げつけたらいい。その場で逮捕されるだろうが、法廷で「記者会見と知る権利」について堂々と論じればいい。そうすれば会見が少しは変わるかもしれない。

 文春、新潮は今週も、後手後手に回っている安倍政権のコロナ対策批判を繰り広げている。最近安倍は、菅や萩生田などのいうことを聞かず、今井尚哉首相秘書官と北村滋国家安全保障局長のいいなりだという。

 安倍は「緊急事態宣言」を出したいと焦っているが、文春によると、日本には15年にアメリカの国立衛生研究所を模範にして日本版がつくられているという。

 ここが医療戦略の司令塔になるべきなのに、事務局が健康・医療戦略室で、室長があの和泉洋人首相補佐官で、次長があの大坪寛子という「老いらく不倫」コンビなのだ。

 和泉は医療行政を理解せず、大坪は和泉の虎の威を借りて頓珍漢なことをやり放題。安倍の周りにはこんな人間しかいないから、コロナ対策を突然いい出し墓穴を掘るのだ。

 新型コロナウイルスは、いまだに感染源も見つからず、有効なワクチンもできていない。

 そんな中で朝日新聞DIGITAL(3月3日16時43分)が、ぜんそくの吸入薬が有効な可能性があると報じた。神奈川県立足柄上病院などのチームが患者3人に使ったら、症状が改善したというのだが、私は、こうした報道は危険だと思う。

 ぜんそくで困っている高齢者は多い。その人たちが、コロナと勘違いしてぜんそく薬を大量に使うとどうなるのだろう。コロナでパニックになっている日本人が、ぜんそく薬を買い漁るかもしれない。日本人は、情報の真偽を確かめずに噂を真に受け、一つの方向に突っ走る民族性である。

 安倍が、小中高を休みにするといっただけで、日本中の盛り場から人が消え、公園で子どもたちと団欒をしている家族を見て、「あれだけいっているのに、あんなところで子どもを遊ばせるなんて」と非難する国民なのだ。

 桜の満開が近い。毎年、隅田川の土手で、桜を見ながらコップ酒を呑むのが楽しみだが、今年は、そんなことをしていると通報されて、警察官に逮捕されるかもしれない。

 今年は、政治屋も役人も国民も、一億総バカ化する春である。

 世の中に勘違い人間は一杯いる。武田良太国家公安委員長の秘書だと自称してい  る、白川由仁もその一人。

 2月26日、東京・日本橋で、泥酔してタクシーの車体を蹴り、「俺は国家公安大臣の秘書だ」と吠え、警察に連行された。

 この男、秘書といっても表ではなく、裏の秘書だそうで、それも、政界で有名な父親が武田の有力な後援者だから、遇してもらっているようだ。

 父親は白川司郎という。原子力発電関係の警備会社などの経営に携わり、青森県むつ市に誘致する段階から東電に先駆けて重要な役割を果たしていたそうである。

 このバカ息子、父親の関係する会社の役員などをして月数百万円も得ていたそうだ。それに、この逮捕騒動、「一切、公式発表されておらず、メディアにも報じられていない」(新潮)という。武田の肩書に脅え、警視庁が忖度したのではないのか。

 ポストに面白い記事がある。

 山口組のトップも、マスクをして、「見えない敵」に対して超厳戒態勢だというのである。

 2月26日、幹部の兄弟盃に列席するために、JR岡山駅に降り立った六代目山口組の司令塔、高山清司若頭は、1万円以上する日の丸入りの超高級マスクを着用していたというのである。

 さらに、ボディガードたちも、みんなマスクをしていたそうだ。

 喧嘩より健康ですな。

 お次は文春。2月29日、茂木敏充外相がお友だちとゴルフに興じていたと報じている。武田良太国家公安委員長も、秋葉と同じ日に、政治資金集めのパーティーをやっていたそうだ。この政権は「バカと阿呆」の寄り合い所帯なのだ。

 今一人の勘違い男。フライデーが報じている長谷川岳総務副大臣(49)。この男、新型コロナウイルスで揺れている北海道の参議院議員なのに、地元へも帰らず、札幌に妻子を残して、若いOLと毎夜のように「濃厚接触」しているというのである。

 彼女の家の近くにマンションを買い、そこに彼女が訪れるのがお決まりのパターンだそうだ。

 フライデーに直撃された長谷川は、「不倫ではない」と否定し、議員の自宅に泊まっているのを確認しているというと、「僕の部屋であることを確認しているんですか?」と開き直る。そのくせ、彼女から何と呼ばれているのかと問うと、「岳くんとか岳ちゃんとか色々です」とのろけてみせる。永田町の鯛は頭からしっぽまで腐りきっている。

 新潮は、安倍首相の側近たちのバカ化の元締めの一人、萩生田光一文科相に、香港の大手カジノ業者からの「接待疑惑」があると報じている。

 時期は2018年8月9日。これは日本で「カジノ実施法」が成立した直後である。萩生田の肩書は自民党幹事長代行で、超党派の「カジノ議連」の事務局長。

「ちなみに自民党の秋元議員に賄賂を渡したとされる中国企業『500ドットコム』社は、カジノ実績もないような小さな会社で、『日本カジノ参入』が実現する可能性は限りなくゼロに近かった」(新潮)

 ところが萩生田をホテルの玄関口で迎えたのは、香港に本社がある大手カジノ業者「ギャラクシー・エンターテインメント・グループ」の日本法人の最高責任者テッド・チャンとホテルの総支配人岡部智である。

 岡部は電通時代から萩生田と知り合いの仲。テッドは、カジノの世界で名を知らない者はいないほどの有名人だという。

 萩生田はカミさん連れで、地元の有力後援者夫婦も一緒だった。萩生田はマカオのフェリーターミナルから黒塗りのワゴンに乗り込んでいるが、新潮が調べたところによると、これも「ギャラクシー」所有だという。

 萩生田は新潮に対して、「秋元と同じ構図ではない。カネは自分で払っている」と話している。だがこの接待疑惑、当然、東京地検特捜部も関心を持って読んでいるはずだ。

 安倍政権にとどめを刺すスキャンダルに発展するか、見物である。

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