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志村けん「元ミュージシャン論争」を裏付ける、音楽界に残した偉大な功績

文=日刊サイゾー

志村けん

 新型コロナウイルスによる肺炎で死去した志村けんさんの緊急追悼番組『志村けんさん追悼特番 46年笑いをありがとう』(フジテレビ系)が、1日に放送された。

 番組冒頭、ゲストの研ナオコは番組内に流れる厳粛な音楽に、「この音楽、イヤだな~」「音楽はすごくけんちゃんも詳しくて。ミュージシャンですから、これは選ばなかったと思うな」と発言。これに対し、ネット上では「志村はミュージシャンじゃないだろ」などの声が上がっている。

「若い世代はもう知らないのかもしれませんが、志村さんが加入する前の初期のザ・ドリフターズは音楽バンドで、1966年のザ・ビートルズ来日本公演で前座を務めたこともあります。その後、コミックバンドとしての色合いが強まり、70年には『ドリフのズンドコ節』が大ヒット。志村さんが正式メンバーとなった74年当時、ドリフは人気番組『8時だョ!全員集合』(TBS系)でコントグループとして大ブレイクしていましたが、それでも80年代初頭までは定期的にシングルを発表していました」(音楽ライター)

 志村さんは、ドリフではキーボードやギターを担当。他のメンバーとは違い、最初からコメディアン志望だったが、一方で芸能界でも屈指のソウルやファンクなど、黒人音楽の愛好家だった。70年代後半~80年代初頭には、音楽雑誌にソウルミュージックのレコード評を毎号、寄稿していたこともある。

「今読み返しても、黒人音楽への愛情と造詣の深さがうかがえる文章です。単なる芸人の余儀で済まされないほど。たとえば、あのプリンスは偉大なアーティストとして今でこそ知らぬ者がいない存在ですが、70年代後半のデビュー当初は黒いビキニパンツ一丁でライブパフォーマンスを行うなど、当時の日本の洋楽ファンの間ではキワモノ視されていました。しかし、そんなプリンスの音楽性の高さをいち早く見抜き、高評価したのも志村さんです」(同)

 また、志村さんは「週刊プレイボーイ」(集英社)誌上で、ミュージシャンの山下達郎と対談したこともある。山下もまた、志村さんと同じく黒人音楽に造詣が深いことで知られる。

「職人気質で、こと音楽に関しては気難しく頑固なあの達郎だけに、志村さんが黒人音楽をちょっと聴きかじった程度の生半可なファンだったら、対談には応じなかったでしょう。もともとメディアに露出したがらない人でもありますしね。つまり、同好の士として志村さんをそれだけ認めていたということです」(同)

 そんな志村さんの黒人音楽好きは、自身のギャグにも生かされている。有名なのは“ヒゲダンス”だろう。『全員集合』のコントコーナーで大人気を博したダンスである。

 黒の燕尾服とつけ髭で扮装する志村さんと加藤茶が、腕をまっすぐに下ろして手首を外側に90度向けるペンギンのような姿勢で、軽快なBGMに合わせて無言で膝を大きく曲げながら歩き回るダンスを踊り、様々な芸に挑戦するというものだ。

「BGMの元ネタは、アメリカのR&B歌手テディ・ペンダーグラスの『Do Me』という曲で、志村さんが見つけたもの。決して有名な曲ではなかったところに、志村さんの黒人音楽マニアぶりを感じます。ヒゲダンスでは、この曲のベースラインの一部を抜き取ってアレンジし直しループさせ、独自にBGMを制作していました。今でいうところのサンプリングに近い手法ですね。ヒゲダンスが流行った70年代末は日本にヒップホップのDJなんていなかったわけですから、いかに先進的だったかわかろうというもの。ちなみに元ネタの『Do Me』は、達郎が自身のラジオ番組でかけて、入院中の志村さんにエールを送っていました」(同)

 コメディアンとして、志村さんが偉大な足跡を残したのは言うまでもないが、音楽的な側面からも論じることで、真の人物像がより浮き彫りになってくるはずだ。

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最終更新:2020/04/02 22:22

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