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週刊誌スクープ大賞

コロナ禍は不幸だが、真の不幸は安倍晋三のような政治家しかいないことだ!

 今週の第1位は、拡大が止まらない新型コロナウイルス肺炎の現在と今後についての記事を集めた。

 まだまだ広がるのか、どこで止まるのか。ニューヨークは感染者が減ったようだが、まだまだ安心はできない。

 ニューヨークなどから遅れて自宅自粛を始めた日本は、これからが本番ではないか。

 先週末から熱っぽく、空咳が出る。倦怠感があり、右の耳の裏側に痛みがある。頭痛がひどかったので、新型肺炎に罹ったと思った。

 私には糖尿病があり血圧も高い。今年の11月に後期高齢者になる。世界的にもそうだが、日本でも、コロナで亡くなるほとんどは60歳以上である。

 新潮でコロナに罹り陽性になった40代男性の話が出ている。彼は高熱に加えて、咳と下痢と味覚の変化があったという。基礎疾患もあったそうだ。保健所に連絡したが、「まずはかかりつけの医者へ行ってほしい」といわれた。陽性だと判明したが、いまだに入院させてはもらえないそうだ。

 ましてや私のような年寄りは、自宅でふるえていろといわれるに違いない。

 結局、免疫低下で罹る帯状疱疹だったが、以来ほとんど家に閉じこもっている。

 今日発売の文春、新潮はコロナ情報満載だが、文春のほうに読ませるものが多い。慶応病院で集団感染が広がったが、それを招いたのが、研修医40人によって開かれた10時間にも及ぶ「お疲れ様会」だったという。

 3月26日、初期臨床研修医2年生の修了式が行われる予定だったが、前日に小池都知事が外出自粛を要請したため、中止になった。そのうえ、当日は、慶応に入院中の患者4人がコロナに感染したことが発表された。だが、夜の会合は強行されたというのだ。

 1,2年生40人が居酒屋に集まり、その後、外苑西通りにあるダイニングバーへと移動した。そこで、男女入り乱れての乱痴気「濃厚接触」が繰り広げられたそうだ。

 さらに彼らは、原宿にある大きなカラオケ店で三次会をやり、10数人は始発まで飲み明かしたというのである。

 この事実を把握した病院側は、すべての研修医を出勤停止にし、調査を開始した。4月7日までに参加者の8人が感染したことが判明。研修医が担当していた当直は別の医師に代わることになったが、研修医と濃厚接触していた100人ほどの医師も14日間の自宅待機となってしまった。

 そのため、関東を中心に100以上ある関連病院の医療が手薄になってしまっているというのである。若さを持て余し、馬鹿をやりたい気持ちはわかるが、時と時節をわきまえない蛮勇は、医師としての適性に疑問符が付く。

 さて、有効なコロナ肺炎の治療薬が見つからない中、有効ではないかといわれる様々なクスリやビタミン剤の情報が飛び交っている。サン毎は、ビタミンC・Dプラスミネラル(亜鉛・セレン・マグネシウム)が予防効果ありと報じている。

 根拠は、1月26日、カナダに本部を置くオーソモレキュラー医学会が、「ビタミンCがコロナウイルス感染を防ぐ」という声明を出したという。Cにはウイルスの感染予防や重篤化予防効果が期待できるというのである。ビタミンDも、コロナリスクを減少するそうだ。杏林大学保健学部救命学科の元教授で、先の医学会の会長を務める柳澤厚生医師がいうのだから、まんざら根拠のないことではないのだろう。気休めでもいいから、飲んでみようか。

 安倍首相が熱心に吹聴しているコロナの特効薬は「アビガン」という。これは富士フィルム富山化学が開発したもので、中国の科学技術省の担当者も「安全性が高く効果も明らか」といっている。だがもちろん副作用もある。動物実験で胎児に奇形が生じやすいから、妊娠する可能性のある女性には使わず、男性も飲んだら避妊する必要がある。

 文春によると、厚労省も疑問視するアビガンを、安倍がまるで奇跡のクスリのようにいいまわっているのは、富士フィルムの古森重隆会長兼CEOが、例のごとく、安倍を囲む「四季の会」の一員だからだというのだ。

 先のアビガンを持ち上げた中国の医療雑誌が、突然、これを取り下げた。国立感染症研究所が行っている実験データを文春が入手したそうだが、アビガンの効果は出ていないという。

 安倍首相は、先に発表した「アベノマスク」でも世界のメディアから笑い者になった。

 こんなバカなことを安倍に進言したのは、佐伯耕三首相秘書官だったそうだ。佐伯は安倍のスピーチライターとして名をあげ、42歳で史上最年少の首相秘書官に抜擢されたと、文春が報じている。

 だが、先輩にも高圧的な物言いをして、「官邸の金正恩」といわれているそうだ。安倍の周りには、彼の威を借りて自分を偉く見せようとする輩が多いようだ。

 安倍首相は、緊急事態宣言を出しても、私権の制限は最小限にとどめるといっているが、それに異を唱え、東京をロックダウンせよと強硬に主張しているのが小池都知事である。

 新潮ではないが、東京五輪にこだわり、感染者拡大に何も手を打たず、延期が決まると、7月の都知事選のパフォーマンスのために、毎日のように会見を開き、強硬策を主張するのは、小池らしいといえばいえるが、東京都民をバカにするなといいたい。

 新潮は、今この時期に、緊急事態宣言を出す必要があったのかと問いかけ、さらにロックダウンでもすれば、日本経済に致命的なダメージを与えると、いろいろな識者にコメントさせている。中でも私が気になったのは、大阪大学人間科学研究科未来共創センターの石倉文信招聘教授のこの言葉である。

「経済的損失は、人命と無関係ではありません。男性の場合、失業率が1%上昇すると、10万人当たり約25人、自殺者が増加するというデータがあります」

 アメリカではかつてないほど自殺者が増えているという報道があった。勤めている企業や店が潰れ、職のない人たちの心のケアをしっかりしないと、日本でも自殺者が激増する可能性は大いにある。

 最後に、イタリアを代表する小説家で物理学博士でもあるパオロ・ジョルダーノが、母国のコロナ感染の混乱のさなかで何を考えたのかを綴った『コロナの時代の僕ら』(早川書房)から一節を引用してみたい。

「支配階級は肩を叩きあって、互いの見事な対応ぶり、真面目な働きぶり、犠牲的行動を褒め讃えるだろう。自分が批判の的になりそうな危機が訪れると、権力者という輩(やから)はにわかに団結し、チームワークに目覚めるものだ。一方、僕らはきっとぼんやりしてしまって、とにかく一切をなかったことにしたがるに違いない。到来するのは闇夜のようでもあり、また忘却の始まりでもある」

 以前書いたが、中国人作家・閻連科(イエン・リエンコー)も、中国で新型コロナウイルス感染拡大を警告し、自らも感染して死んだ李文亮眼科医のことを、「李のような『警笛を吹く人』にはなれないのなら、われわれは笛を聞き取れる人になろう」と語った。

「本当のことをいえば処分を受け、事実は隠蔽され、記録は改ざんされ、やがて人々の記憶から忘れられていく」「われわれが身を置く歴史と現実の中で、個人でも家庭でも、社会、時代、国家でも悲しい災難はなぜ次から次へと続くのでしょうか。(中略)人として――幾千万もの庶民あるいは虫けらとして――われわれには記憶力がなさすぎるのです」

 日本人も、現在のこの国の惨状を記憶し、その記憶を後世に伝えなくてはいけない。為政者たちが何をし、何をしなかったのかを。(文中敬称略)

【巻末付録】

 今週はポストだけ。「松田聖子伝説-12人の証言」。もちろんヌードではない。私が編集長の時、聖子のヌードがあるという情報が飛び交ったことがあった。

 だいぶたった頃、私のところにある人間がブツを持って来た。中を見ないで買ってくれというのだ。

 怪しいとは思ったが、その当時はカネが余っていたときだったから、いい値で買ってやった。案の定、SEXYさえもないどうということのない写真だった。

 どうしたかって? 袋とじにして、「あの話題の松田聖子のフルヌード!?」とやった。それでも、聖子のヌードには関心がなかったのか、あまり売れなかった。

 テレビで聖子を見ると、いつもそのことを思い出す。

 袋とじは「ウイルスを撃退する正しい手洗いヌード動画-AV女優が手ほどき!」、なんじゃこれは?

 もう一つの袋とじは「おっぱい美術館33人のふくらみ-神がつくった芸術的曲線美」。これもどうということはない。

 やはり「なをん/すずの想い出英会話」という訳の分からないヌードのほうがいい。

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/04/13 21:27
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