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コンビニ新商品「Tuesday Morning Reviews」#2

「食べる前に、拭く!」バスタオル級の巨大ボディシート爆誕! 消費者ニーズで百花繚乱のボディシートの新商品事情

 

「コンビニの新商品はいつ並ぶのか?――それは火曜の朝である」

 1年間に5000品超の新商品が並んでいる日本のコンビニエンスストア。「バスチー」のように大ヒットするものがある一方で悲しいかな、日の目を浴びずに消えていくものが山ほどあるのもまた現実だ。本コラムでは、火曜朝に発売されるコンビニ新商品を独断と偏見でチェックし、そのポテンシャルを予測。また、ひっそりと消えていくコンビニ新商品を記録しておくのが「Tuuesday Morning Reviews」である。

 なおこのレビューは、流通アナリスト・渡辺広明氏と主夫リーマン・テキパキオ氏の私見たっぷりな辛口対談によってお届けします。

◇ ◇ ◇

テキパキオ(以下パキオ):ゴールデンウィーク、いや「STAY HOME週間」になって気温がグッと上がって暖かくなりましたね。コンビニだと冷やし麺が売れ始めるころ……。

渡辺広明(以下渡辺):それもそうなんですが、今日のテーマは暑い季節の必需品と言っても過言ではない「ボディシート」にしましょう! 面白い商品が発売されたんですよ。

パキオ:食べ物じゃないんだ……。別にいいですけど、それならまず「ボディシート」と「フェイシャルシート」の区別をしておきましょうか。

 どちらも同じように体を拭くものですが、前者は汗のニオイやベタつきを拭き取ることが目的なのでアルコールが入っていて、冷感も強いものが多い。

 一方、フェイシャルシートは顔用なのでアルコールフリーで低刺激に作られています。使い分けが面倒なので同時に拭いちゃう方も多いでしょうが、敏感肌の人は注意です。

渡辺:僕は気にしてないし、豪快に拭きたいな。で、ファミリーマートが28日に発売した「爽快ボディシート タオルサイズ」(税込み330円)に注目しました。なんと50センチ×30センチもあるんですよ! 一般的な「ボディシート」が25センチ×20センチなので、長辺方向に2.4倍、総面積でも3.6倍です。

パキオ:おお、パッケージもすごいですね。スタイリッシュとは言い難いけど、首にかけたイラストでデカさが伝わってきます。

渡辺:商品特長をシンプルに伝えていて、いいじゃないですか。ただ僕が商品開発担当者だった背中を拭いているイラストも追加したかもしれない。

パキオ:確かにタオルサイズだから背中までしっかり拭けますね。でもオフィスで上半身裸になることなんてあります? 今みたいに在宅勤務が多いと家でシャワー浴びちゃえばいいですし……。

渡辺:パキオさん、分析が甘いですね。今や生活インフラ化したコンビニですが、昔から現場作業をするお客様にも、たくさんご利用いただいている業態でもあります。一日汗水を流した現場の仕事が終わって、シャワーはないけど汗を拭き取ってリフレッシュしたいという方は結構いると思います。そういう意味ではニッチな商品といえるでしょう。

パキオ:なるほど……勉強になります。では、こちらも発想が新しいファミリーマート限定品「TBCボディシート ミニ フローラルシャボン」(税込み310円)はどうでしょう? 汗拭きシートを使う4人に3人が「屋外・移動中」に使用するデータから、コンパクトで持ち運びしやすいサイズになっています。

 シートは通常と同じ手のひらサイズ(15センチ×14センチ)が3枚入っているので、1日で足りなくなるということもなさそうです。

渡辺:面白いですね。最近の若い女性はプライベートでミニバッグを使用することが多いそうなので財布やコスメも小型化が進んでいます。そういうニーズをうまく取り入れていると思います。

パキオ:うちの奥さんも「ちっちゃいに越したことはないし、ポーチに入るかも。デザインもTHE汗拭きシートみたいに目立つ感じじゃなくていい!」と喜んでいました。ボディシートってシンプルな商品であるのにいろんな方向に進化してますね。

渡辺:その通り。今はただベタつきや汗を拭き取るだけでなく、いい香りで気分まですっきりさせる商品も発売されていますからね。ボディシート市場の絶対王者「ギャツビー」(マンダム)の「ボディペーパー フリーズピーチ」は少し甘い香りで女性のユーザーも多かった。

パキオ:女性が男性用を使うっていうのは珍しいケースですね。ところで実際のところ、「ギャツビー」はどれくらい強いんですか?

渡辺:マンダムは2008年1月~2019年12月の男性用ボディケア年間累計販売金額で、「ギャツビー」ブランドがナンバーワンであると公表しています。また、コンビニバイヤーの間では、売上の50%超が「ギャツビー」だという認識。「メンズビオレ」(花王)も菅田将暉とハライチ澤部のCMで猛追していますが、「ギャツビー」以外は割安なPB品を含めて群雄割拠です。

パキオ:へぇ~。かなり圧倒的なブランド力を誇っているんですね。

渡辺:その流れで僕が注目しているのは、コンビニ限定品の「ギャツビー ボディペーパー アイスレモンミント」(税込み380円)です。

パキオ:この見た目のみずみずしさ、もう缶チューハイじゃないですか!

渡辺:でしょう! おそらくレモンサワーが流行っていることに乗っかったんじゃないかと僕は見ています(笑)。

パキオ:「氷冷」という文字がだんだんキリンの「氷結」に見えてきましたよ。ということはレモンが成功したら次はグレープフルーツが出てくるんでしょうか……。

渡辺:もしそうなったときは、「ボディシートの缶チューハイ化現象」と名付けましょう。実際、グレープフルーツなど柑橘系の香りのボディシートは過去にもありましたから、あながち荒唐無稽な話ではありません。

パキオ:そのうち「食べる前に、飲む!」(昔の大正漢方胃腸薬のキャッチコピー)じゃなくて、「食べる前に、拭く!」みたいなCMも出たりして(笑)。

渡辺広明(流通ジャーナリスト)

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浜松市出身。2児の父。マーケティングアナリスト、日本唯一の流通アナリスト、コンビニ評論家、流通ジャーナリスト、約730品の商品開発に携わるマーケター、元コンビニバイヤー、元コンビニ店長、現コンビニアルバイター、「浜松市やらまいか大使」(観光大使)など、さまざまな顔を持つ。フジテレビ『Live Newsα』レギュラーコメンテーター『ホンマでっか⁉TV』レギュラー評論家として活躍する他、スポーツ紙「東京スポーツ」に連載を持ち、ニュース・ワイドショー・新聞・週刊誌・ラジオなどのコメント・講演会・アドバイザリー・顧問業などでも幅広く活動中。趣味は「ドラゴンズ熱烈応援」「時折フルマラソン」「発展途上国の教育支援(ガーナ・ラオス)」。著書に『コンビニが日本から消えたなら』(KKベストセラーズ)

わたなべひろあき

テキパキオ(ライター)

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都内に住む30代サラリーマン。小学生のとき、母親の手伝いで料理に目覚め、兄の夜食を作るようになる。大学時代にはカジュアルイタリアンの厨房でアルバイト。就職後は自炊することがなかったが、3年前にアーティストとして働く妻と結婚して家事全般を担当。猛スピードで掃除洗濯をこなす様子から妻に「テキパキオ」と名付けられる。PB食品の食べ比べがスーパーの売り場徘徊が趣味。蛇口とシンクを磨くのが好きで、行きつけの飲み屋の閉店作業に加わりがち。

Twitter:@@tekipakio

てきぱきお

最終更新:2020/05/05 12:12
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