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ビシエドサヨナラ弾! ナゴヤドームのコロナ対策はどうだった? プロ野球有観客試合初日徹底レポート!!

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暗雲立ち込めてもドームは安心

 新型コロナウイルスの影響により、6月19日の開幕以降も無観客での開催を続けていたプロ野球ですが、7月10日より5,000人を上限として観客を入れての興行が開始されました。これにはJリーグなどのスポーツイベントだけでなく、コンサートや演劇など、無観客や極小人数での興行開催を余儀なくされている全てのイベント関係者が注目していることでしょう。

 今回は中日ドラゴンズファンである筆者が、本拠地ナゴヤドームでの有観客試合初戦に馳せ参じ、その模様を忖度無くレポートいたします。野球ファン・関係者以外にも、何かの参考になればこれ幸いでございます。

入場前に徹底して行われた注意喚起

 
 まず、そもそもチケット販売はどう行われたのか? あくまでも中日ドラゴンズの場合ですが、まずはシーズンチケット保有者に優先的に購入の案内が届き、次に公式サイト「ドラチケ」のみでの販売が有料ファンクラブ会員、次いで無料会員に案内されました。10日の試合は5,000枚完売。僕は有料ファンクラブ会員なので比較的早い段階で三塁側内野席を買いましたが、僕が見た時点で既に全席売り切れ間近でした。ソーシャルディスタンスを保つため、例え家族や友人と一緒に行っても横に2席、前は1列離れた座席で応援しなければいけない旨が購入時に明記されていました。

 そして、公式HPだけではなく、前日の野球中継の中でも下記の注意事項遵守のお願いが繰り返し放送されていました。

① 立ち上がっての応援(座席問わず)
② 両手をメガホン代わりにした大声での声援
③ 大声での応援歌、球団歌の歌唱
④ 指笛、口笛などでの応援
⑤ メガホン、フラッグ、タオルを大きく振り回しての応援
⑥ 飛び跳ねたり、起立着座を繰り返したりする応援
⑦ お客様同士の肩組み、ハイタッチ、握手等の接触行為

 まず、この注意喚起を徹底すること自体は成功したと思います。恐らく上記の7項目を知らずに来場されたお客さんはいなかったのではないでしょうか。加えて、密を避けるために球団は下記の措置を取ることもスポーツ紙などで報じられました。

①通常より30分早い開門
②入場ゲートは通常通り全て開門
③全入場ゲート前にサーモグラフィー設置
④観戦者が一か所に集まらないようにするため売店は全てOPEN(アルコールの販売も実施)
⑤売り子による販売は見送り
⑥ミュージアムやキッズエリアは閉鎖
⑦試合終了後は分散退場を要請

 これらを読むと、言い方は嫌味っぽくなりますが、まずは第一段階として採算度外視で「有観客試合を行った」という既成事実を作りたいのだろうな、と邪推してしまいます。もっとも、これは経済力があるプロ野球だから出来る措置もいくつかあります。あらゆるイベントで同じようなことが出来るか? といえば、難しい対策も多いかと思います。

スタジアムで発生する“密”

 さて、試合当日。名古屋は残念ながら雨模様でしたが、屋根付きのナゴヤドームには関係ありません。当然試合は行われます。折角なので空いているであろう15:30に入場しようと思ったら、15:00の時点で既に入場ゲートには行列が。ソーシャルディスタンスを示す足下の印も足りず、結果開場前には立派な“密”が出来上がっていました。これは見栄えを気にしなければテープを貼るだけでいいので、早急に改善の必要があるかと思います。

ビシエドサヨナラ弾! ナゴヤドームのコロナ対策はどうだった? プロ野球有観客試合初日徹底レポート!!の画像2ビシエドサヨナラ弾! ナゴヤドームのコロナ対策はどうだった? プロ野球有観客試合初日徹底レポート!!の画像3

 開場後、思ったよりもスムーズに列が動いたので、“密”を避けるために10分ほど待ってから入場口へ。3名ずつサーモグラフィー検査と荷物検査を受けて、無事入場。入場後はまず手指の消毒をお願いされ、観戦予防のためか通常は必ずあるチラシや団扇などの配布は一切無し。

 事前の注意書の通り、観客が集中することを避けるために確かに飲食店は全て開いていました。が、5,000人しか入場していない上に飲食持ち込み禁止のため、やはりそれなりに各店舗に列は出来ます。選手プロデュースのオリジナルメニューを販売する店舗などは特に人気が高かったのですね。ただ、功を奏したのか、飲食店舗は入場時と違いそれなりに「距離を保つ」という目標は達成できていました。

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ソーシャルディスタンスが示された飲食店舗。メニューは通常時と比べるとかなり少ない。

 スタジアム内で“密”が発生してしまっていた場所は、トイレです。男子トイレでさえ行列ができていたので、恐らく女子トイレは余計でしょう。一切距離を保つテープなどは貼られていなかったので、これもなるべく早く対処して欲しいところです。自衛のために、行けそうならイニングの途中でもトイレに行くことも検討していいかもしれません。

過酷すぎるマスク着用での野球観戦

 着席したら、場内アナウンスでは繰り返し前述した感染症対策が繰り返しアナウンスされます。中でも強く注意されていたことが、「二週間以内はチケットを保持すること」でした。来場者の中から、後日コロナ陽性者が出た場合、球団H Pで該当者の座席番号を発表する可能性もある、とのこと。近年はチケットレスでの入場も増えていますが、チケットだけでなく購入時のメールも削除せずに極力保存しておくことをお勧めします。

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 国歌斉唱の後、定刻通り18:00にプレイボール。応援がないことが気になるか?と言われれば意外とそんなことはなく。ドーム球場であることも手伝ってか、投手の球がミットにおさまる破裂音が凄まじく、観客全体がその音に引き込まれている感じでした。特に中日先発、大野雄大投手のストレートでは球場が軋むような音がしていました。こればっかりは音を出せない今だからこそ味わえる醍醐味です。それと、ドリンクの売り子さんがいないこともそれ程気になりませんでした。いないならいないで、人って上手くタイミングを見て買いに行くものですね。

 気になったのは、応援の有無ではなくマスクの着用です。時間が経つにつれ、どんどん呼吸が苦しくなって、時折外しながらでないと観戦に集中できなくなりました。空調の効いた屋内球場でこれなので、屋外球場のデーゲームは相当キツいのではないでしょうか?横浜スタジアムなどもマスク着用が義務付けられています。新型コロナウイルスではなく、まず熱中症で倒れてしまう人が出てしまいそうな気がしてなりません。

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充分に座席間隔が空けられたスタジアム。

 ただ、こんな試合でも出るんです、酔っ払い。声を出すな、と言われているのに大声で野次る怒鳴る。幸いにも、他のお客さんと揉めることはありませんでしたが、普段は気にならない野次や罵声もこの状況だと広範囲に響きますし、何より飛沫が飛びます。まだお客さんが新しい観戦スタイルに慣れていない間は、アルコールの提供を一時見合わせてみるのも一手かと思います。

5,000人が限度ではないか?

 試合自体は、中日の主砲ビシエドがサヨナラホームランを放ち、中日ファンがしっかり間隔を空けてエアハイタッチをして無事終了。ヒーローインタビュー終了後、京田陽太選手会長の挨拶もあり、この日は結果的に分散退場となりました。

中日ファンの自分はもちろん満足して帰途についたのですが、ナゴヤドーム前矢田駅発の地下鉄車両には、ちょうど座席が埋まる程度の人数が乗り込んでいて。その様を見ながら、「今は5,000人が限度ではないか、ちょうどいいのではないか?」と思ってしまいました。自分が観戦しておいてこんなことを言うのは厚顔無恥の極みであることは百も承知ですが、とても満員に膨れ上がったスタジアムを想像することが出来ない、この状態で人を増やしたらコロナ以外にも無用なトラブルが起きそうだな、というのが正直な感想です。

 球団が懸念しているように、本当に観衆からコロナ陽性者が出るかもしれません。もちろん、それは僕かもしれません。8月1日からはスタジアム収容人数の50%が入場可能になるそうですが、昨日の試合を観る限りでは、スポーツイベントは引き続き“柔軟な対応”を検討しながらのイベント運営になることは間違い無いと思います。

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最終更新:2020/07/11 09:38
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