「北京ユニクロ立ちバック動画」主演女性の歌手デビュー!?　話題騒然も中国政府が謎の過剰反応

　今から5年前の2015年7月、中国・北京にあるユニクロ店内の試着室で、一組の男女が立ちバックでセックスしている様子を撮影した動画がネット上で公開され、日本でも大きな話題となった（参考：【画像あり】北京ユニクロ試着室で“行きずり”男女が立ちバック！　店員が関与した可能性も……？）。

　当時、この映像がアップされると、中国ネット民たちがすぐに「人肉捜査」（中国において、ネット検索で人物の特定や個人情報を収集して暴露すること）を始め、このカップルが北京聯合大学ビジネス学院の学生で、女性のほうは余芸（ユー・イー）さんだということが明らかにされた。

　余芸さんは2人が恋人関係であることを否定。「初めて会っておしゃべりをした後、ついこのようなことをしてしまった」と、ゆきずりの関係であったことを告白したことも話題となった。本人たちは、まさか映像が外に出るとは思ってもいなかったという。

　この映像が出たために、余芸さんは一時、精神的に憔悴してしまっていたと伝えられていたが、あれから5年、なんと彼女が歌手として活動していることがわかった。しかも、そのキャッチフレーズが「優衣庫女主角（ユニクロ主演女優）」。恥ずかしいはずの過去を逆に売りにしているのである。

　彼女は昨年から、「ユニクロ主演女優」というキャッチフレーズと共に「余芸小湿妹」と名乗って活動を始めていたようで、小湿妹はいわば“濡れた女の子”のような意味である。

　最初こそ注目を集めなかったようだが、8月に入り、彼女が今度は馬伊娜（マーイーナー）という名で再登場。しかも、そのポスターにはYUMIKOなどという日本人女性のような名前まで添えられている。

　今度はさすがにメディアの目に止まり、“あのユニクロ生ポルノの主演女優がデビュー！”などと取り上げられるようになった。しかしその後、想定外の事態に発展する。

　なんと中国共産党中央宣伝部が、この件に関する公式見解を発表したのだ。

　中央宣伝部の「掃黄打非」（ポルノや違法出版物の取締）を担当する部門がweiboで発表したところによると、“ユニクロ主演女優”の馬伊娜なる女性は、余芸さんではなく、張Ｘ莉という名の、まったく別の人物で、注目を集めるために勝手に“ユニクロ主演女優”などと名乗っていたというのである。

　しかも、当局はこの件を取り締まるために、捜査を開始している。とはいえ、仮に彼女がニセモノであったとしても、中央宣伝部が直々にアクションを起こすことは過剰反応ともいえ、ネット民たちの憶測を呼びそうだ。

　真偽は謎のままだが、ともかく話題性は十分な彼女。今後の展開にも注目したい。

佐久間賢三（ライター）

前職の関係で10年近く中国で生活し、その後フリーライターに。得意分野は中国のおバカネタ、エロネタ。

さくまけんぞう