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Kダブシャインが語る異論!暴論! トランプ論「忖度しない型破りな政策」

アメリカを分断させたのはメディアのあり方

――とはいえ、そうした政策や討論の中でトランプが失言をし、幻滅することはなかったんですか?

Kダブ 少しはあったと思うよ。ただ、メディアが報じるのは、前後の話を切り取っただけの発言ばかり。むしろ、知れば知るほど同情するくらいだよ。でも、トランプは切り取られた悪評をニュースで報道されても、自らツイッターで自己弁護を発信する人だからね。元側近に「トランプは詐欺師」とか言われたりするけど、本当の詐欺師はあんなに多くを語らないはずなんだよね、ボロが出るから。直接的で正直な性格だと思うよ。だから、トランプのやり方を見てると「いつか殺されてもおかしくない」とすら思えてくる。「トランプの政策は、体制にとって妨害としか考えられない」と言うアメリカの既得権益層からすれば、あってもおかしい話じゃないからね。

 ずっと一般の報道や世論では「トランプが分断させたアメリカ」とか言ってるけど、本当にアメリカを分断してるのは「メディアのあり方」なんだよ。メディアの流すニュースこそが、分断を生んで、もともとあった溝を広げているんだ。

 アメリカはそもそも覇権国家であるのに、もはやその覇権を内側から乗っ取ろうとしているのが、国際金融資本やウォール街、多国籍企業。今ではその国家の枠組みを持たない勢力が覇権を握ろうとしてしている。それがいわゆるグローバリズムや、中国の中華思想――だんだん現実が映画『マトリックス』の世界のようになってきているけど、それを「アメリカファースト」で、ひっくり返そうとしているのがトランプ大統領。「グローバリストの時代は終わりだ。世界は愛国者たちのものだ。

 それぞれの国がそれぞれの国らしくあることが、本来の世界のあり方。地球を均一的な風習、文化や風景にならないようにし、平和と調和をもって交流し合おう」と、彼は19年の国連演説で語るんだけど、その時もまともに報道したのはFOXだけ。こういう事象からも、今の分断を生んでるのはトランプではなく、フェイクニュースが真実をそのまま伝えないからだ、という証拠になる。

 日本で、テレビでもソーシャルメディアでも見ていてツラいのが、フェイクニュースを無抵抗で見ている、世の中でも賢い連中が「すべての諸悪の根源はトランプだ」と口を揃えることで、それ自体がもう陰謀論と変わりないじゃないかと思えてくる。それでは現代の「魔女狩り」だ。これはもう俺からしたら残念だけど、正直言って「噴飯もの」の「片腹痛いわ」状態だよ。そして、それに惑わされる視聴者のことは、どうでもいいのかという憤りもある。騙されてる人たちにツイッターでディスられたりして、個人的にもマジで迷惑してるしね。

Kダブシャイン
1968年、東京都生まれ。95年にキングギドラとしてデビュー。97年にソロ作『現在時刻』を発表。政治批判や社会問題などを積極的に取り上げ、唯一無二のMCとして知られている。Twitter〈@kingkottakromac〉Instagram〈kw5hine〉

 

最終更新:2020/11/01 06:30
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