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産業医と映画Pの配信作品批評「ネフリんはほりん」#2(後編)

『コブラ会』はカラテ映画に偽装したキリスト教的映画だった!受難の果ての成功

主演俳優が“フリーズドライ”されていたからこそ世界観が壊されなかった

――さて再び話を『コブラ会』に戻しまして、なぜこのタイミングで続編が製作されたのだと思いますか?

伊丹 製作のニュースを聞いた時は『ベスト・キッド』の製作陣なのかと思ったら全然違くて、原案のクリエイター陣3人中2人が我々と同世代。僕らと一緒で小学生時代に『ベスト・キッド』にハマって、いつかリブートしたいという夢をかなえたパターンなのかと思う。『ベスト・キッド』は800万ドルという低予算でつくって、約1億ドルの興収があったアメリカンドリーム的作品だから、多くのアメリカ人にとってもエンタメの原体験なんだろうね。

大室 かつてのヒット作をリブートして掘り下げる作品って、よほど作品への愛情と世界観設定をちゃんとチューニングしないとたいてい失敗する。それなのに『コブラ会』は大ヒットしてる。これはスゴイことだよ。

伊丹 今回奇跡だと思ったのが、主役のふたりが体形も割とそのままで、「本当に30年生きてたんだ」と思わせる絶妙な老け方をしてるとこ(『ベスト・キッド』に出演したウィリアム・ザブカ(ジョニー役)とラルフ・マッチオ(ダニエル役)が、そのまま同じ役で出演している)。

大室 ダニエルはちゃんと金持ちっぽく、ジョニーはちょっとやさぐれた感じの老け方だね。

伊丹 これは『ホームアローン』のマコーレー・カルキンじゃできないもん。

大室 『家なき子』のその後をやっても、安達祐実の離婚とかハードな写真集とかいろいろな歴史を知ってしまっている我々は、その知識が邪魔をし「その後の世界」に没入しにくい的な(笑)。

伊丹 その点、ダニエルとジョニーの俳優さんは、その後のハリウッド作品でまったく見なくなっていたのがよかったかも。

大室 少なくとも日本人からしたら、冷凍保存、フリーズドライ状態。

伊丹 それはいい表現だね。『コブラ会』にお湯をかけられた(笑)。

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