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『脳天パラダイス』公開記念インタビュー

白い粉、血痕、そして銃声でリアル通報…のぶっ飛び撮影 小川未祐が語る「私がキマる瞬間」とは?

小川未祐が“キマる”瞬間は?

白い粉、血痕、そして銃声でリアル通報…のぶっ飛び撮影 小川未祐が語る「私がキマる瞬間」とは?の画像3
 山本監督をはじめ制作陣とキャストの「理屈抜きにブッ飛んだ映画を撮ろう」というパワーが、最高潮に達している象徴的なシーンのひとつが映画後半のミュージカルシーンだ。中学生の頃からプロダンサーとして活動してきた経歴を持つ、小川さんもこのシーンに参加している。

「私は踊るのが好きなので楽しかったですね。でも、オーディション時にこのシーンの話は特にされなかったんです。だから、最初に脚本をもらった時にみんな、初めてミュージカルシーンがあると知って。それも軽い感じかと思ってリハーサルに行ってみたら、ガッツリ踊る感じだったんですよ。私はまだダンスやっていたからできましたけど、ダンスが苦手な方には本当に大変なクオリティで。事務所の先輩の玄里さんも『死にそうだ……』と言っていましたね」

 1カ月以上にわたり、振付師の南流石によるリハが行われた結果、キャストが勢揃いしたこのミュージカルシーンは相当なレベルにまで達してしまっており、素人目にも力を“入れすぎ”なことがわかる。

『脳天パラダイス』はそのタイトル通り、観賞後に何か高尚なテーマに想いを馳せるようなタイプの映画ではない。だが、登場人物たちのお祭り騒ぎにのせられて、メッセージを汲み取ろうとしたり、物語としての理屈や展開を追ったりする努力を早々に諦めた鑑賞者は、正体不明の多幸感を感じることになるだろう。

「私はコロナの外出自粛中に撮影もオーディションもなくなってしまったんですが、いろんな映画や本に触れられたことで、かえって自分の仕事に対する気持ちが強まる期間でした。この映画はコロナ前だからこそ撮ることができた映画でもありますし、気持ちがまいってしまうようなニュースも多いこのタイミングで、スカッとするような観賞体験ができるこの映画が公開されることは、意味があるなと思います」

 最後に「観たら、キマる」という本作のキャッチコピーにちなんで、小川さんが“キマる”瞬間を訊いた。

「え~、なんだろう……。でも、モヤモヤしたときは思う存分、踊って汗かくようにしています。あとはバンドが好きでギターが趣味なのでひとりライブとか……。恥ずかしいですけど、いつもと違う自分になれるという意味では、ひとりラジオも録っていますね。それも『Anchor』みたいなラジオアプリとかではなく、普通にスマホの録音機能で。自分で聴き直すわけでもないんですが……」

 いったいなぜ? 吹き込む内容は? さまざまな疑問が浮かぶが、ここはあまり深掘りせずに「そういうもんなんだ」と受け入れるのが正解のようだ。

 

小川未祐(おがわ・みゆ)

2001年、東京都出身。女優・ダンサー。中学時代からダンスを始め、10代からアーティストのバックダンサーとして活動。その後、女優へ転身。2020年3月27日放送のドラマ『ゴールド!』(NHK)に出演。現在、YouTubeでは主演をつとめるショートフィルム『Beyond the Limit』が公開中。11月に映画『脳天パラダイス』、2021年には主演映画『海辺の金魚』が公開予定。

『脳天パラダイス』 11月20日から東京・新宿武蔵野館ほか全国公開。

最終更新:2020/11/20 10:00
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